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【1】ガイドブックにない聖地《宮古島》

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宮古島には多くの御嶽〈うたき〉と呼ばれる祈りの場所がある。先祖を祀る御嶽・命の源である水が湧き出る場所の御嶽・神がやってくる〈この神は先祖が死んで戻って神になる〉海の御嶽・自然を祀る御嶽などがある。

この写真は名前はわからない御嶽。ガイドブックには載っていない。
ここに美しい珊瑚礁が点在していたのが、この数年の海水の温度が上がり白化現象と化している。

御嶽の中でここは大好きな場所。
地元の人が時折ここに祈りに来る。

以前、この場所で宮古の年配の女性にバッタリ出会ったことがある。

よそ者の私は少し戸惑ったのだけど、その女性は「誰が祈ろうと神さまは怒らないよ」と言ってくれた。

関東に住む子どもへの祈りをしに来たとおっしゃった。海は繋がっているからね…祈りが届くんだと教えてくれた。

この池の底には穴が空いていて、海水ではない淡水がわきでているそうで、この穴はどこかにつながっている。
宮古島では海水と淡水が混ざる場所は神聖視されている。亡くなった霊がその場所から帰る場所へといく門のような役割をしているそう。

あの世とこの世の接点

違う2つの世界が重なり合う場所。
そこに扉があり、あちらの世界が祈る場所でもある。

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去年、引き潮のタイミングでこの中を探索した。珊瑚礁を傷つけないように。自然にできた門がある。

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自然を祀る御嶽には「入らせてください」とご挨拶してはいる。自然は誰をも拒まない。

宮古には、そんな御嶽が多く点在し、今では誰も訪れない御嶽もたくさんある。鬱蒼と茂る木々に阻まれ、もうそこへは入れないから、その入り口で祈りを捧げる。

このガイドブックに載っていない聖地とも呼べる御嶽は、引き潮の時にしか入れない。そうやって知る人だけが訪れる場所。



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