隔たり

濃いグレーの雲が遠くに見える。

こちらは青空。少し蒸し暑さも感じられる。

昨日娘と読んだ雑誌の中の「お天気のしくみ」を思い出した。

空気の中には"お水"があるけど
目には見えない。

それが温められて上にあがり
集まったものが雲だ。
小さな粒がまとまって浮かんでいる。

それが大きくなり
耐えきれずに落ちてくるのが雨。

地や海に降り注ぎ
また蒸発し空へ行く。

そうして回っているという話。

簡略化してあるが、たしかにそうだと思った。

そう考えると、
今向こうに見えている雲は
姿かたちを変えていつか目の前にやってくる。

もしかしたら
向こうの雲と目の前にある"お水"は
空気という媒体でつながっていて
特に隔たりはないのかもしれない。

隔たりや違いを作っているのは受け取る側の都合で、
事実として存在しているものは
ただそこに事実としてあるだけ。

それは変わらない。

解釈はひとのぶんだけあり
良いも悪いもない。

ただ解釈が無限にあるということも
ひとつの事実として知っておくことで
世の中が少しやわらかくなる気がする。

自分の解釈を強要せず、
人の解釈もそうかそうかと受け入れる。

無理に共感する必要もなければ、
してもらう必要もない。

グレーの雲が動いて、
目の前の"お水"も動いて、
もうすぐ雨だと言う人もいれば
まだ晴れていると言う人もいる。

違うけど同じ。
同じだけど違う。

その僅かな差があるからこそ
世界に深みが出る。




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