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いきあたりばったりでいいのか

バスに乗っていると、停留所で止まった時に「○○行きますか?」と運転手さんに尋ねる人が時々いる。大きな声で聞かないといけないわけなので、こういうふうに質問ができる人の度胸というのはすごいなあ、と私は思う。私はとりあえず来たバスに乗ってしまい、目的ではない場所に運ばれてしまってから、途方にくれるダメなタイプだ。

運転手の回答が「行きますよ」なら何の問題もない。質問をした人はお礼など述べてバスに乗り込む。聞こえた身としても一安心する。しかし「行きません」だった時は複雑だ。こちらのバスの路線は複雑でわかりにくい。○○には行かなくても、その近くの△△なら行く場合もある。とはいえ、なるべく時間通りにバスを運行したい運転手さんが、そこまで丁寧にバス停や行き方を説明できる場合は少ない。私が説明してあげられればいいのだが、知らない人のほうから説明をするわけにもいかない。

今日もそんなようなことが、バスに乗っていると起きた。「○○美術館行きますか?」「行きません」。確かにこのバスは○○美術館の最寄りのバス停には行かない。だが、○○美術館は△△で降りて歩いていける範囲にあるのだ。しかしその方は数分でも歩きたくないかもしれないし、などと考えていて気付いた。今日は月曜日だと。そう、多くの美術館は月曜日を休館日としているのだが、○○美術館も基本的には月曜が休館日なのだ。正しいバスが来て、それに乗って○○美術館に行けたとしても、そこは閉まっている。

どこか違う地域から来たであろう人よ。せっかく美術館を訪れようとしたのならば、休館日くらいは前もって調べておいたほうがいいのではないか? ついでに言えば、休館日を調べると、最寄りのバス停もわかると思うのだ。

いや、もしかすると、下調べなんか洒落臭い、いきあたりばったり、出たとこ勝負が旅の醍醐味だ! と思っている方なのかもしれない。そういう姿勢ならばそれでもいいとは思う。でも、わざわざ足を運んだのに閉まっていたという残念さは、あんまり味わってほしくないなと、おせっかいながら思うのだ。


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