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【1989年100日旅】13日目。モスクワ

1989年4月18日。旅は13日目。同じスクールバスに乗るクラスメートが、一緒にクラブに入ろうと誘ってくれたので、バラライカという三角形で三弦しかないソ連の伝統的な楽器のクラブに入ることに決めた。

音楽の先生でもあった教頭先生が、ロシア人の先生と一緒に教えてくれた。メイン弦が針金で、指で抑えるのはなかなか苦行だったけれど、キラキラした音が出るのが気に入っていた。

学校へはホテルからスクールバスで通い、帰りは市営のバスに乗って父の住むモスクワ大学の寮に行き、夕食を食べてからホテルに戻るという生活をしていた。朝食はホテルの部屋で。モスクワ大学から一番近いホテルを選んだらしいけれど、台所がなかったのでパンと飲み物で済ませていた。パンはたいがいライ麦の黒パン。ぼそぼそして酸っぱくて食べにくく、ソ連のとびきり甘いジャムをつけて、牛乳で流し込んでいた。

帰国後、軽井沢のおしゃれパン屋さんで、あの黒パンそっくりのものがおしゃれに売られているのを見て、ひどく驚いた。ときどき食べるのなら、おいしいよね。

そんな感じの13日目。旅は残り87日。

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