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【1989年100日旅】77日目。ポツダム

1989年6月21日は旅の77日目。日帰りでポツダムへ。低層階建ての瀟洒なサンスーシ宮殿に行く。晴れた日で、日差しに卵色やピンクの壁が映える。庭園は美しく整備され、明るい庭から鳥の声が聞こえるのに、屋根の上や地上にたくさん並ぶ彫像は酸性雨の影響で黒く崩れかけていて、静けさを感じた。

ついでツェツィーリエンホーフ宮殿へ。バス停で降り、避暑地のような森を歩く。見えてきたのは宮殿というよりは田舎のお屋敷といった雰囲気の蔦が這う建物。庭も、サンスーシ宮殿のフランス風の平面幾何学式庭園とは違ってややイギリス風で、かわいらしい花が咲いていた。

この長閑なツェツィーリエンホーフ宮殿は、ポツダム会談が行われた場所。その部屋は絨毯も丸テーブルのクロスも椅子の天鵞絨も真紅。重々しい色だが、窓が大きいため、陰鬱さは感じない。厳粛な気持ちで、ここで第二次大戦の戦後処理を決定したという説明を聞いた。帰国後、学校でポツダム宣言を習ったときに、点と点がつながった気がした。

そんな感じの77日目。旅は残り23日。

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