【1989年100日旅】51日目。レニングラード
1989年5月26日、旅は51日目。レニングラード最終日。川沿いに建つ巨大で絢爛豪華な宮殿がそのまま美術館になったエルミタージュ美術館へ。クリスタルと金のシャンデリア。赤い絨毯の敷かれた幅広の真っ白な階段。高く太い、つるつるに磨き上げられた大理石の柱。グロテスク文様にに埋め尽くされたラファエロの回廊。
エカチェリーナ2世の個人的な美術収集からはじまったエルミタージュ美術館。今や作品点数は300万点以上とルーブル美術館の10倍近くあるらしい。あまりの作品点数に、とても1日では見終えられない。なのになぜかミイラの部屋に行ってしまい、ミイラは上野国立科学博物館で十分なのにと思った。(上野国立科学博物館のミイラは、妹が何かにつけて「もう私、死んじゃうから!」というので連れて行かれて、「死ぬとこうなるんだよ」と脅された場所だった。)
あまりの作品点数からか帰るのが遅くなってしまい、ホテルに帰りたいのになかなかタクシーが捕まらない。ならば白タクを、と赤い車を停めたら、運転していたのは父の知り合いの日本大使館勤務の男性。大使館勤務の人が白タクで儲けているはずはない。父の顔が見えたから止まってくれたんだろう。その方は翌日の私たちの飛行機のリコンファームまでしてくれた。
そんな感じの51日目。旅は残り49日。
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