見出し画像

「あなたはどう思う?」 と聞かれて育ってこなかった。 *インタビュー記事翻訳②

デンマーク語は?
難しい!日本語とかけ離れているし「言葉が完璧ではない自分」を受け入れるまでに時間がかかりました。最初のうちは、ネイティブ並みのデンマーク語を話せるようになりたい、と思っていました。それと同時に、わからないことを聞くのが恥ずかしく、ブラックユーモアにいつ笑えばいいのかも分かりませんでした。今は、パーフェクトなデンマーク語を話せない自分を受け入れ、私には他に得意なことがある、と考えるようになりました。新しい同僚や知人には、私のデンマーク語の間違いをバンバン直してね、と言えるようになりました。ここまで来たのは、大きな進歩だと思います。つい最近「クラウンザ・ファイナル」(注:デンマークのお下品コメディー映画)を観て大笑いしました。

**
日本人だと感じるのはいつ?**
毎日私は日本人だと感じていますし、日本の文化を生活に取り入れるようにしています。日本の伝統にそって部屋を飾りつけ、日本食もよく食べます。日本人も自分の一部であると感じてほしいので、息子たちは日本語の名前をつけました。もし息子たちがSørenや Jørenといった(注:Øはデンマーク独自の発音の難しい文字)名前だったら、日本の家族は息子たちを正しい発音では呼べないでしょう。息子たちには、日本とデンマークの祖父母が呼べるよう、シンプルな名前をつけました。未だに違和感を感じるのは、会議中に書類が机の上にポーンと投げられたり、人に投げ渡すのを見た時。日本では、紙や名刺を渡す時は両手で、紙を相手側に向けて渡すのが一般的です。名刺のときは相手の目を見て渡します。デンマークは、日本に比べてリラックスして形式張っていないですね。

デンマーク人化したと感じるのはいつ?
デンマークではノースリーブにショートパンツで出かける事もありますが、日本では出来ません。日本では若者と40、50代の女性には大きな違いがあり、私達の年代はコンサバティブな格好をすることが多いです。里帰りすると、日本の決まり事を忘れている事もあります。ゲストにはホストが食事を取り分けるとか、ゲストは出されたものが苦手でも、断らずにいただくとか。どちらもお互いへの尊敬の念を表しているのですが、デンマークとは異なるので忘れてしまうことがあります。デンマークでは、各々自分で取り分けるのが一般的ですね。今でも自分の考えを伝えるのには、訓練が必要だと感じますし、言葉の壁もまだまだあります。早く自分の考えを言わないと、話題が次に移ってしまうことが良くあります。

日本とデンマークの一番の違いは?
 デンマークの人は、日本人や日本の文化に興味を持っている人が多く、色々質問されます。日本人を好意的に受け入れていると感じます。また、日本人は良く働き熱心だと見てくれているのも、私にはプラス面です。最初の仕事を見つけるのに時間はかかりませんでした。もちろん日本の家族や文化や自然が恋しいです。デンマークでは、デンマーク人、日本人両方の友達がいます。特に、コペンハーゲンや北シェランに住む日本人の友人とは、定期的に会っています。家族ぐるみでのお付き合いもあります。日本では、夫婦で別々の集まりにでかけることが多く、夫婦揃っての集まりは少ないと思います。祖父母に子供を預けて、夫婦でデートする機会も少ないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?