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ワクチンをすべての人に平等に行き渡らすためにはどうする?SDGs時代の取り組み

PRディレクターのさやです。

さて、2020年はオリンピックの年から新型コロナウイルスの年となったわけですが、新型コロナウイルスは今人類が抱える様々な課題を浮き彫りにしています。その一つが健康アクセスの不平等です。所得格差が治療やワクチンなどへのアクセス格差につながっています。

このままではワクチンが開発された後も、高額なワクチンを接種できず、世界的にみて新型コロナウイルスが鎮静しないという事態に陥りかねません。そこで、あるグローバルな取り組みが本格化しています。それが「ACTアクセラレイター」です。今日はこのACTアクセラレイターという取り組みについて取り上げてみたいと思います。聞きなれない言葉ですよね(私は聞きなれません)

ACTアクセラレイターとは

ACTアクセラレイターとは、今年の4月24日に発足した「Access to COVID-19 Tools Accelerator」(COVID-19関連製品へのアクセス促進枠組み)のことを指します。これは、WHOを中心とした国際協働の仕組みで、国際協調に基づいて新型コロナウイルス対策を講じていく取り組みのことです。

ここでいう新型コロナウイルス対策とは、「診断、治療、ワクチン」の3つの分野のことを指しています。

健康アクセスをすべての人へ

新型コロナウイルス感染症との闘いのためには、公衆衛生上の対策と同時並行で、ワクチンの開発が急がれます。ただし、ワクチン開発後に所得の高い国・人のみがワクチンを使用できるようでは意味がありません。このACTアクセラレ―ターは、所得に関わらず、地球上のすべての人がワクチンを公平に使用できることを目標に掲げています。

公平なアクセスのためには資金調達が不可欠ですが、ACTアクセラレイターはすでに、5月に行われた「世界資金誓約マラソン」で74億ユーロを、6月に開催された欧州委員会と米国のキャンペーン団体「世界市民」による誓約サミットでは61.5億ユーロが誓約されています。合計でACT-Acceleratorは159億ユーロ(187.6億ドル)の資金をすでに得ていることになります。

枠組みのガバナンス

運営委員会は、欧州委員会、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ノルウェー、サウジアラビア、スペイン、英国とWHO、ゲイツ財団、世界経済フォーラム、ウェルカムトラスト(英国の医療系民間財団)で構成されています。

この運営委員会を中心として、ワクチン、治療薬、検査の協力体制が設けられているのです。例えば、ワクチンについては、「COVID-19ワクチン・グローバル・アクセス」(略称COVAX)というシステムが構築され、高所得国から低所得国まですべての国に公平にワクチンがいきわたるように準備されています。

まとめ

ACTアクセラレーターは、国や国際機関だけではなく、市民社会なども積極的に巻き込んだまさにマルチステイクホルダーの取り組みです。自国第一主義が強まっている今この時において、国際協調を礎とした取り組みがどこまで機能するのか、大きな試金石ともいえます。多国間主義・国際協調を重視する私は心から応援していて、これからの活動を非常に楽しみにしています!まずは、無事に安全なワクチンがはやくできることを祈って。今日もご精読いただきありがとうございました!

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