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やさしい存在を心に宿して、歩をすすめ

たまたま見つけた「みちのくのいとしい仏たち」展に行ってきました。

展示会のことは何も知らず、待ち時間に東京ステーションギャラリーに行こうかなと検索していたところ見つけた展示会で、ちょうど最終日だったんです。

https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html


展示されていたのは、お寺や神社にあるような威厳を感じる仏像・神像とはまた違った、素朴で優しい民間仏。少し「あれ?(笑)」と思うような不格好な部分も含めて、ほほ笑みを浮かべた表情を見ていると、こちらも笑顔になれました。

林業や漁業など危険な仕事に携わっていた人たち
災害に苦しんだ人たち
亡くした子どもやその母親たち
病気をした人たち

などなど、不安の最中にいる人たちの心の拠り所となっていた民間仏は、生活に根付いていたものだからこそ、家族のようなあたたかみを感じられるのかもしれませんね。現代を生きる人にとっても、やさしい存在でした。

先行きの不透明さと、どこへ向かえばいいのかわからない不確定さに心がぐらついていた私に「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と優しく語りかけてくれた気がします。

「私、だいじょうぶって言ってもらうために会いに行けたのかもしれない」

なんて、行く予定をしていなかったかこそ、民間仏に出会えたことに自分にとっての意味を与えずにはいられませんでした。

「強くなれなくても、ささやかでやさしい存在を感じながら、小さな歩を進められたらいいんだ。小さな歩でも歩み続けることで、長い距離を歩くことができるから、それって大きいことだよね」

そんな風にみちのくのいとしい仏たちに教えられました。



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