人生初めての就職先は靴屋さんだった




人生初めての就職先は靴屋さんだった。


高校を卒業し、新卒でアパレルの会社に入社。
研修期間を経て、服屋さんに配属されると思っていたら靴屋さんに配属された。

この春から服を扱うんだ、服と仲間になるんだというつもりで日々イメトレをしていたので
靴が相棒になることになり、少し(かなり)困惑した


百貨店に入っているような靴屋さん。
なのでお値段はお高め。

当時18歳だった自分は 普段なかなか目にしない値段設定だったので
(タッケェェェェ…)
と思いながら店舗に立っていた(今だから言えることすぎ)

靴のサイズも、例えば
23cm
23.5cm
24cm

などという表記ではなく
35、36、37だったので即座に変換できるようになるのに苦戦した

お客さんに「この靴履きたいんですけど38だとサイズはどれくらいですか?」
と聞かれた時に答えられないので最初の頃はカンニングメモが必須。

確か38は24cm


靴屋さんは靴を売っている。
だから靴が沢山ある。


「この靴欲しいです」
と言われると

「ありがとうございます!
在庫を確認してまいります」

と言って私たちは裏に引っ込む。


店頭には片方の靴しか出していないこともあるので

「この靴試し履きしたいです」
と言われると

「もう片方お持ちしますね」

と言って私たちは裏に引っ込む。


裏に引っ込むと靴箱が大量に大量に積まれている。

ハリーポッターが魔法の杖を買いに杖屋さんに行くのを観たことありますか?(杖じゃなくステッキか?)

そんな感じで
狭〜〜〜〜い空間に可能な限り、箱に入った靴が
ほぼ床から天井までぎっしり積んである。

お客さんを待たせているので時間との勝負が始まる。



「あの靴のあのカラーのあのサイズを探し出せ!!!!!!!!」


よく売れる靴は比較的取り出しやすい位置にあるけど

たまにしか売れないものは発掘作業となる。



奥〜〜〜の上〜〜〜の方にあると絶望だった


奥〜〜〜〜の下の方がもっと絶望だった

ジェンガみたいな感じですね。
ジェンガを引き抜く作業。


だから靴箱のナダレが怖すぎる
何度箱が降ってきたか。
※もちろん安全は安全です危険な環境ではありませんのでご安心を


やっっっっっっとの思いで発掘した靴箱を開けたら中身が空っぽ…!!

「もおおおおおおおお店頭に出てるやんけええええええええ」

となることもしばしば。



ないなぁないなぁと焦ってめちゃくちゃ時間かけて脚立も使って探してたのに
全然手前の余裕で取れる位置にあることも。

こうは言っているが今思い返せばあの靴の発掘作業はなかなか楽しかった



メンズの革靴やスニーカー
レディースのパンプスやサンダル

なんでも扱っていた。

冬になるとメンズの革のブーツが重たすぎて笑けた。


靴箱発掘作業は季節問わず汗だくである。



お客さんは皆、お会計が終わり商品をお渡しする際
とても良い表情になるのでそれを見るのが好きだった。






私の はじめての仕事 は靴屋さん。

今でもふと思い出しては良い経験だったなと思う。



めちゃくちゃ細くて背が高くて口数も少なくクールで怖い男性の上司を「〇〇くん」と間違えて呼んでしまい怒られたり


「私うまくできないです…」とションボリしていたら
その怖かった上司に、屋上の休憩所に連れて行かれジュースを買ってもらい
「まぁ最初はそんなもんっしょ」
と励まされたり(ドラマみたい)


高校あがりでの入社だったので周りより若く、それがコンプレックスだったのも今となっては良い思い出。

「若いね〜」の一言がいつも嫌だった
大人として接して欲しかったのだ
でも実際18歳だったから若い。
今の私も18歳の子と出会ったら絶対に「若いね〜」と言ってしまう




そんな私は今、吉本興業で歌って踊ってコントをしているので人生どうなるかわからないという、よく聞くアレをブチ進んでいる。




この春から新社会人になるみなさん、幸あれ!







春になるとふと思い出すことでした


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