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パーティーに出られなかった中年は、寛容のなさに陥る。

今日の東京は37℃。灼熱地獄でした。外に10分いるだけで汗だくで、息も吸いづらいです。

きょう見た景色の話からどうぞ。

電車に乗ると風鈴柄の浴衣を着たお姉さんを見かけました。ほとんどの人が暑さでグッタリな様子。電車を降りて歩いていると、LOOP(シェア型電動キックボード)を見かけます。LOOPが車道の端を走る様子をしょっちゅう見かけるので、もう当たり前の風景になっています。近所にもあるから、一度乗ってみたいけど、まだ乗ってはいません。Uber Eatsの配達人は珍しくひとりも見かけませんでした。

わたしは、44歳なんですけどね、もう中年と呼ばれる年代です。phaさんが、『パーティーが終わって、中年が始まる』という本を出しましたよね? そのphaさんが45歳だから、まあまあ近いです。そして、phaさんみたいに、パーティーを経験しないまま、中年に突入しました。20代で結婚して、30代で何をしていたかというと、ずっと子育てをしていた気がします。その子育ても昨年つまずきました。子供が不登校になったからです。

それまで、わりと正しく、一生懸命に、誠実に生きてきたつもりだったので、全てがわからなくなりました。何が正しくて、何が間違っていたのか。娘からもたくさんダメ出しをされて、いちど自分が破壊された気がします。

今日、エレベターに乗ったとき、うしろから慌てた様子の男性が乗り込んできました。エレベーター内にロードバイクを乗せたとき、エレベーターの狭さで車輪が曲がり、わたしの白いワンピースに当たったんです。白だったので、うっすらワンピースが汚れてしまいました。わたしの中で、一瞬ものすごく怒りの感情が芽生えて、だけど子どもも一緒だったため、怒りの感情を抑えこみました。

その男性は「すみません」そう謝ってくれたので、「気にしないでくださいね。大丈夫ですよー」そんなふうに明るい声で言えば良かったのに、言えませんでした。寛容ではない自分に驚き、その状態である自分にショックを受けました。

男性は、オフィスに戻ったら、「すっごい性格の悪いおばさんに当たっちゃったよ。ちょっとバイクの車輪が当たっただけだよ? 謝ってるのに答えもしないなんてさ」なんて悪口を言っていたかもしれません。

いつもなら許せることなのに、なぜ今日は許せなかったのだろうか。ただ、怒りのエネルギーを抑えるだけで精一杯でした。そして、20代のころ、白いワンピースを職場のひとに汚された体験が思い出されて、脳内タイムスリップをしてしまいました。そして、いつの間にか男性はロードバイクを連れて、エレベーターからおりていたんです。

白いワンピースは、見ると嫌なことを思い出す呪いのアイテムに変換されてしまいました。もう、白いワンピースは着ないつもりです。


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秋には干し芋を買って、12月までに新しい手帳を買いたいです。