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おばさまの母性

息子が生まれ、会社に行った日のこと。

おばさま方からお祝いの言葉を沢山頂いた。
ご祝儀やお菓子、赤ちゃんタオルなど色んな品物も沢山頂いた。

おばさまネットワークで聞きつけたのだろう。
子のいるおばさま、子のいないおばさま、色んなおばさまが赤子の動画を見せろ見せろと集まってきた。

リクエストに応えると、

「うわぁ~。かわいいねぇ~!かわいいねぇ~!」
「そうそう。赤ちゃんって口を”ほぉ~”ってするんだよね。懐かしい~。ほんわかするね~。」
「お目目ぱっちりだね~。髪の毛生えてるね~。」

と、その場にいない赤ちゃんに1オクターブ声を上げて話しかけてくれた。
そして、子のいるおばさま方は自分の子が赤ちゃんだった昔に思いを馳せた。一人一人、皆違った出産経験、育児経験を持っていた。

あるおばさまは子がデカすぎてヘルニアになり、あるおばさまは股関節がどうにかなったため匍匐前進で子の世話をした。そしてあるおばさんはなかなか子が出てこず帝王切開し、あるおばさまは辛すぎて旦那さんに当たり散らしまくったとか。

今では子が大きくなり口もきいてくれない。とか、反抗期で言うこと聞かない。勉強しない。親孝行しない。うんぬんかんぬん。と楽しそうに言ってた。


しかし、赤ちゃんの威力は凄い。

何故、赤の他人が一人生まれただけでこんなに幸せ騒ぎしてくれるのか。
皆、母性が爆発して何でもかんでも褒めちぎってくれる。

赤ちゃんが褒められると、僕も嬉しい。
何もしていないのに、こんなに褒められるなんて。
今のうちだぞ。世の中なめんな。

とはいえ、おばさま方。ありがとう。
こんなに嬉しいのはいつぶりだろう。


僕もいつかこんなおばさまになりたい。
おばさまになって赤ちゃんを褒めちぎりたい。

昔を思い出し、子育てについて語りたい。
子供が生意気だけど可愛いって言いたい。

母性を爆発させて。

以上














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