忍者ラブレター ショートショート
『緑下さんへ 忍者である僕と付き合ってもらえますか?』
秋が冬に変わっていく朝の空気は、肺を震わせるほど澄んでた。凛とした冷たさが、少し熱くなった顔にあたる。冷たさが、告白の覚悟を説いている気がした。
たったさっき、縁下さんの下駄箱にラブレターを入れた。通っている高校の下駄箱は扉があるタイプなので、多分他の人にはバレないだろう。
心臓は今もうるさいほどになっていて、まだ読まれていないのに顔がニヤけてくる。
しばらくすると、登校してくる人が増える。きっとしばらくすれば、僕の手紙も読まれることだろう。しかし、心に何かざわめきがある気が。
『緑下さんへ』私が手紙を送ったのは『縁下さん』だ。冷や汗が体から一気に出る。もう、玄関口に縁下さんが来ている。下駄箱を開けるのも時間の問題だ。先ほどとは違う脈の早なりが起こる。どうしようどうしよう‥
『一旦ラブレター消えてくれ!!』僕は無意識に術を使っていた。
「ん?さっきなんか入ってたような?」縁下さんに気が付かれなかったことに安堵しつつも、また苦難が続くことに気がつき、頭を抱えた。
お題 忍者ラブレター (457字)
あとがき
ギリギリ投稿!!
たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただいています
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