いってらっしゃい ショートショート
「うわー苦」
大学生になったことだし、もうそろそろ飲めると思っていたが、あまりの苦さにリビングの机で悶絶する。
「まだコーヒー飲めないのか?」キッチンカウンター越しにパパが煽る。
「うっさいやい」
「案外まだまだお子ちゃまだな」
パパは自分の分のコーヒを淹れながら、ニヤニヤ笑っていた。
数年前まで、パパはよく家でコーヒーを淹れていた。
最近は忙しくって全然できてなかったけど、なんとなく我が家の習慣な気がしている。
「コーヒーで服汚すなよ」父さんもワイシャツ着てるじゃないか、