ままならず ショートショート
「どうにか立ち退いてもらえませんかねぇ」意味があるのかわからない交渉をしながら、私は目の前にあるお稲荷さまの社殿にいなり寿司を供える。
よくわからないこの仕事を降ってきた先輩を恨めしく思いながら、今朝聞いたこの神社の曰く話を思い出す。
うちの会社が買い取ったこの神社は、昔からテキトーに扱うと呪われるとして有名な神社だったらしい。が、うちのバカ社長はそんな言葉を迷信だと退けて、神主に一度も拝ませることなく解体工事を決行した。
その結果、工事機械が頻繁に壊れたり、白い狐を見たと