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「完璧なママ=幻」はわかった。けど、わたしたちはどうやって自分に合格点をつけてあげればいいのか。

『VERY』8月号がすごく良かったんです。
とくに、特集「言っとくけど、完璧なママなんていないからね!」が。
 
ご存知の方も多いかもしれませんが、『VERY』はママ向けのファッション雑誌です。
個人的には、ママになってもおしゃれを犠牲にしたりしない、いつだってキレイな人の雑誌、というイメージをもっていました。
それでてっきり、キラキラしたママのキラキラした部分をフォーカスしているものだと思ったら、大違い。
誌面には、毎日バタバタ・ヘトヘトなママたちへの共感が、大ボリュームでつづられていました。
 
さて、この記事は、雑誌を読んで「完璧なママなんていないんだ、そうだよね。そうだそうだ!」
と納得したはいいが、忙しない実生活でこの気づきをケロッと忘れてしまいそうなわたしの備忘録&奮闘記です。
状況や悩みは人それぞれ違えど、
まじめで、すぐにいっぱいいっぱいになってしまう、私のようなタイプのママがいらしたら、読んでみて欲しいなと思います。
 

「完璧なママなんて幻」を雑誌に教わる


わたしはどちらかと言えば雑誌が好きです。
今や当たり前になった美容室でのタブレット端末で、映画や動画が見られるとわかっていても、雑誌を選ぶくらいには雑誌好き。
おそらく、これは世代的な習性では、と思っています。
わたしたちが、「エビちゃんもえちゃんOL」のような分かりやすいロールモデルを必要としていた最後の世代なんじゃないかなと。
もちろん今の若い子たち(この言い方、ババ臭っ!)にもロールモデルはいると思いますが、かつては、人々の憧れって、かなり型にはまった表現をされていたのです。
 
だからこそ、そんな世代をターゲットにしているであろう雑誌『VERY』が、キラキラとは正反対の「ママたちの日々の悲鳴」にフォーカスしていたのが、わたしには衝撃的でした。
(Twitterでこのことをつぶやいたら、フォロワーさんに『VERY』はそういった意味で切り口が斬新なんだよと教えてもらい、すっかりファンになりました。)
はっきりと「完璧なママなんていない」「思い込みや完璧主義は捨てろ」「ママ業の一部だとしても、苦手なことは手放していい」って書いてあるんですよ。
鈴木保奈美さんのインタビューの
「(雑誌に載っている私の写真が)素敵に見えたのなら、それは『奇跡の一枚』だからです」
という結びにも、じーんときました。
どんなに輝いて見える人にもがんばれない瞬間がある、とても人には見せられない残念なママでいる瞬間があるのだと教えてもらいました。
 

自分ごととして日々の暮らしに落とし込んでいきたい。けど、そこには強敵が


誌面には、モデルや読者モデルの方の「わたしはこんなことをやめました。手放しました」という実例もたくさん載っています。
でも、雑誌に載っている新作をいくつも買えないのと同様に、「ママとして頑張るのをやめたこと」Tipsの全部を取り入れることはできません。
悲しいかな、子育てを援護してくれる人の数も、お財布の中身も変わらないからね……。
 
いや、そんなことよりもです。
育児とその周辺業務で手を抜くと、すごくやっかいな問題が出てくるんですよね。
 
そう、「罪悪感」と「自己嫌悪」です。
 
現代の育児の難しさって、結局、これに尽きるんじゃないかと思います。
 
「しんどい時は、無理しないで」
ほっこり系のCMやら、育児書やら、〇才児健診の保健師さんやら……。
もう色々なところで言われますよね、耳にタコができるほどに。
わかったから、本当にもうわかったから、さぼった時に出てくるこの魔物ペア「罪悪感」と「自己嫌悪」も、あらかじめ駆除しておいてもらえませんか……と言いたい。
こいつらに苛まれているから、わたしたち現代のママはなかなか自分に合格点をあげられないのだと思います。
 
それから、母や祖母世代の育児をお手本にしようにもできない、という、これまた世代的背景もありますよね。
わたしの母や祖母などは、何かと「私は家事育児を全力で頑張ってきた」「いっさいがっさい、自分でやるしかなかった」と言います。
たしかにその意気がないと乗り越えられないほど大変だったとは想像します。
でも、令和のこの時代にあって「自分だけがしゃかりきに頑張る」という気合一本の力技で、ママ業をやり遂げられるものでしょうか。
そんなことないと思います。
 
母や祖母の「私はやってきた」「私にできたんだからあんたにもできるはず」という言葉は、呪いに近いものがあると思うのです。
たとえ、本人にしてみたら励ましのつもりでも。
 
 

敵の強さの理由は、育児が点ではなく線だから


ちょっと話がそれてしまったので、戻しますね。
わたしたち現代のママの真の敵は「罪悪感」と「自己嫌悪」だと書きました。
本当に手ごわいですよね。
 
たとえばこんなとき。
「しんどい時は無理しなくていいんだよ」
の声に甘えて、ある日の昼食にはマクドナルドをテイクアウトして、家族みんなで食べた。
 
ここまでは、いいんですよ(個人的にはね)。
敵の気配はうっすらと感じるものの、まだ姿を現してはいません。
 
問題はここからです。
夕方になってもまだしんどい気がするから、夕飯は家にあるカップラーメンでいいかな……。
はい、出ました。やつらです。
罪悪感、そして自己嫌悪。
夕食の献立が始まるやいなや姿を現した魔物は、食べ終わり、片付けを終えてベッドに入ってしばらく経っても、まだわたしの脳裏にいます。
 
じわじわと自尊心を苛まれ続けたわたしは、最終的には
「ああ、栄養のあるものを全然食べさせてあげられなかった。今日もやっぱりわたしはダメな母親だ」と思いながら眠りにつくのです。
 
『点で見たらセーフかもしれないけど、線で見たらやっぱりアウトな気がする』
得意な家事なんてひとつもないわたしは、しょっちゅうこの気分に支配されています。
たとえわたしみたいにとんでもなく不器用でなくとも、まじめな方、完璧主義タイプの方は、この魔物たちの「線の上にあらわれる」という習性に手を焼いているのではないでしょうか。
 

感情はしくみでコントロールするしかない


このように、二匹の魔物「罪悪感」「自己嫌悪」にめっぽう弱いながらも、わたしにはVERY8月号がついているので、なんとか自己肯定感を保ちつつママ業を営みたいわけです。
そこでどうにかたどり着いた結論が、
 
魔物=感情は、考え方のしくみでコントロールするしかない、というものでした。
 
アンガーマネジメントなんかと同じですね。
わたしの場合、具体的に何をしたかというと、ママ業のあれこれに優先順位をつけました。
(仕事では当たり前のようにやってきたことですが、実は、家庭においてわたしは優先順位付けをやったことがありませんでした。)
 
こんな感じでママとしてのタスクやミッションを挙げていきます。
・園や学校の準備
・ご飯を作って、食べさせて、片付けること
・お風呂
・部屋のリセットや掃除、洗濯
・習い事や教育
 
人によっては
・授乳
とか
・きょうだいに等しく愛情を持って接すること
なんかも入ってくるでしょうか。
 
細かく挙げていくとその果てしなさに泣けてきてしまうので、ここはざっくり行くことにしましょう。
これら、ママの仕事をひととおりリストアップしたうえで、優先順位の上位に輝いたものだけを死守するのです。
それ以外のことはすべて、優先すべき項目のためなら犠牲にしてよい(サボっていいし、リソースがあるなら外注してもいい)というルールにしました。
 
個人的には、このルールの適用がけっこううまくいったと感じています。
もしよかったら、試してみてください。
例の魔物たちは出なくなるか、出ても滞在時間が短くなるんじゃないかと思います。
だって、一番大切なことは、きちんとやっているのだから。
毎日のように自分を「赤点ママ」判定しなくてもよくなる……かもしれません。
 
蛇足ですが、ママタスク&ミッションの「全部出し」をされた場合は、
「めっちゃ仕事してるじゃん! 私って超エライ!」と自分をほめまくるのをお忘れなく。
 

我が家の場合:最優先事項は「意外な項目」だった


ご参考までに。
我が家の場合、ママ業の最優先事項に挙がった項目は、意外なことでした。
それは、
「笑顔のママでいる」
ということです。
 
……すみません、これを読んでくれているあなた、ちょっとひいてますよね?
さんざん現実について語っておいて、最後ハートフル系でごまかす感じで締めるの? って思われていますよね。
すみません。
 
でも、冷静になって考えてみたところ、やっぱりそれが、つまり、わたし自身が笑っているということが、我が家の母という役職においては何より重要だったんです。
(実はこれも自分で発想したわけではなく、Twitterのフォロワーさんに影響をうけたところが大きいのですが。)
 
笑顔でいるという表現はすこし抽象的なので、この決定に至った理由2つと、個人的に設けた細かいルール=禁則事項についてお話しします。
 
「笑顔のママでいる」を一番に選んだ理由のひとつめは、家族からの需要を感じたからです。
夫も子どもも、何かにつけてへこたれる私に「そんなことより、ご機嫌で笑っていてよ」というメッセージを発しているなあと、ふと気づきました。
 
理由のふたつめは、これ以上家族を萎縮させたくなかったからです。
これまでわたしは自分が限界を迎えると(お察しの通り、しょっちゅう限界迎えます)、ヒステリックに怒ったり、怖い顔をして、自分の不機嫌を察してもらおうとするところがありました。
でも、この方法って本当にいいことがないんですよね。
夫との心理的距離を広げてしまったり、ダブルバインドで子を萎縮させる結果になったり。その都度後悔してきました。
 
 
そこで「笑顔」の具体的項目として決めたのが、以下のルールです。
①    「アピール系ため息」ダメ。
②    「怖い顔や乱暴な動作で察してムーブ」ダメ。
③    「パニックで大声を出す」ダメ。
これをやってしまった日は、すなわちママとして赤点です。猛省します。
 
と、こんな感じで。
優先すべき項目やその指標は、家庭によってさまざまだろうと思います。
ちなみにわたしの友人を見ていると、どうやら今、彼女は二人の子どもの「教育」に全振りしているようでした。
「以前は栄養も睡眠もちゃんととらせた上で毎日お稽古とお勉強を、って思っていたけど、もう、ごはん関係は親に全部任せることにしたんだ。私の今の使命はこっち(教育)」
だそうです。
カッコイイ。
 
それでいいのだと思います。
それがいいのだと思います。
全部頑張るなんて、できっこないですもんね。
 

まとめ:完璧なママなんて目指しても無駄なので、「うちのママの最優先事項」を決めた方がいい


備忘録とか言って書き始めたくせして、ずいぶん長くなってしまいました。
ここまで読んでくださったかた、ありがとうございます。
 
わたしは今後、
「完璧なママなんて目指すだけ無駄」という真理を忘れないこと、
それから、
「笑顔のママでいる」という目標達成のため、それ以外の雑務はあらゆる手段を講じて手抜きしていくことを、ここに宣言します。
 
ルンバ、ウーバーイーツ、乾燥機、親類の皆様、and more……
現時点でもわりあいお世話になっていますが、
これからもどうぞよろしくね!!

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