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哲学を学ぶことと心のゆとり

哲学を学ぶことはなんのためになるのか?

哲学に興味を持っていない人から言わせると、哲学とは難解で、その魅力を実感することは困難を極めるかもしれない。

そんなことを述べている私も、哲学には頭を痛める日々である。そして、私自身「哲学」が大好きで、毎日のように哲学書を読んでいるわけではないのだが、哲学は、私自身に心にゆとりをもたらしてくれる、とても素敵な学びのエッセンスがたくさん込められていると感じるのだ。

哲学と向き合ったロンドン大学生活

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私は元々教師として、教育現場で働いていた。しかし、私は自分の確固とした教育的信念が持てず、悩む日々であった。

私の教育的活動は正しいのか、そうではないのか?

私は、そんな漠然として、答えのない問いに、苛まれることがよくあった。

そのモヤモヤとした気持ちを晴らすためにも、私はもう一度学問の世界に戻ろうと思い、ロンドン大学の大学院に留学を決意した。

そこでの1年間は、とことん哲学と向き合う日々であった。

正義とは?平等とは?権力とは?自由とは?教育の目的とは?

日本語でも難解な英語文献を読み漁り、時には、日本語の翻訳版も読み、エッセイを書き上げる作業は、孤独としか言いようのない、生活であった。

現実では起こり得ない仮定的な状況下での議論に、ついていけない自分自身の知識の乏しさや、やるせなさを感じた。そして、現場では、応用できることのない状況の仮説に、私は何度も「何を勉強しているんだろう」と挫折しかけた。

哲学を学び見えたもの

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しかし、今の私は積極的に哲学を学ぼうと思っている。イギリスで、何度も何度も挫折して、孤独になりかけた哲学書と向き合うプロセスは、シンドイとしか言いようのない毎日であったことは、否定できない。

そんな今の私は、日々物事を捉え、それを自分の言葉でまとめているnoteの記事にさえも、私の自身の哲学的思考のエッセンスが、所々に見られるようになっていると感じる。

それを、世の中の人は、「価値観」と呼ぶのかもしれないが・・・

・自分自身の価値観が、どのようなものなのか?
・そして、私自身の価値観は正なのか?偽なのか?
・それとも、正や偽では測りきれない考え方が存在しているのか?

と自分自身の価値観を常に振り返るためも、哲学的な思考法は非常に重要であり、それは、それぞれの価値観形成の大きな支えとなるであろうと考える。

哲学的思考方法で培った信念は、私たちの芯となり、時として、自分の教育的活動に正しさが見えなくなったときの、軸として作用し、私たちに自信や勇気を与えてくれることになると考える。

だからこそ、私がロンドン大学で教育哲学を学び、孤独と向き合って、哲学書を読み漁った日々は、今後私が教師として、教壇に戻る時の支えとなることは間違いないと感じている。

哲学を学ぶことは心のゆとりを持つこと

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哲学は時として、人間が生きる上で「心のゆとり」を与えてくれるものであると考える。

おそらく私は、他の人々よりも、「どうして?なぜ?」を深くまで追求したくなる気質がある。また、自分の創造性を働かせ、「もし〜なら?」という仮定的な話を何通りも考えてしまう癖もある。

この癖は場合によっては、私の長所にもなりうるのだが、実は、私自身を悩ませる所以となっていることも事実である。

とくに私の頭では、よく、ありもしない課題のタネを発掘して、その中に「不安」という悩みを生み出す原因を作っている。そういったタネを何個も育てては、「不安」という悩みで頭をいっぱいにさせてしまう。

その時ほど苦しいことはない。

そんな時に、仮定的な条件で物事を考える哲学的な思考は、私のタネを発芽させず、私の中に、不安という要素を生み出さないよう、私の思考を停止させてくれることもある。

相手の発言、起こってしまった事象、私の中から生み出される感情と行動。

哲学を追求していくと、それら全てに、どのようなプロセスで、その結果が生み出され、私たちが体験できる形として、世の中に出てきているのか?という一連の流れがスッと言語化できる瞬間に満ちる時がある。

そういう観点で物事を捉えるみると、私は心が落ち着く。

自分の感情に振り回されず、今起こっている物事を冷静に捉えることができるからだ。

そういった行動を取れるようになればなるほど、私自身の中にゆとりが生まれ、人間としての器が一回り大きくなったような気持ちにもなる。

哲学は非常に難解で、孤独との戦いであることは間違いではないのだが、難解であるからこそ、人間が自分の人生をかけて学ぶ価値のある学問であると思うのだ。

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