観劇感想vol.14 miunaプロデュースvol.4「ザ・フラジャイル ライト/レフト」
今日も今日とて、長年追っかけてる推し女優さんである渡辺実希さんご出演の舞台を見てきました。
完全に私個人の都合ですが、池袋に新たな観劇スポットを見つけられてありがたい。なんか小劇場って中央線の沿線多くない? 私が行くところがそっちが多かっただけ?
今回見たお芝居は、同じ世界線で起こる別軸のお話を
脚本も出演者も全く変えたレフト/ライトの2チームに分けた構成のようです。
せっかくなので両方見てきました。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。
同じ題材が併せ持つ異なる側面を別途で描くタイプの作品はだいたい好きになりがちなので
今回もあらすじ聞いた時点でかなり期待値高かったです!
会場も劇場というより、演技スペースも客席も地続きで(平台で後方客席の高さは出してましたが)
何かで区切られているという訳でもなく長机とパイプ椅子がポンと置いてあるので
選挙事務所の中でリアタイで起こっていることをそのまま見ている感覚がすごかったです。
セット自体はさほど変わらないのも、同じ出来事を別の観点から見ている表裏一体感があっていいですね。
どちらにも街頭演説のシーンがあったり。ライトの場面転換や各回の開始/締めの挨拶も斬新でした。そんなハッキリ言うんだ。
強大な後ろ盾がありながら、政治に対してさしたる矜恃はなくただ持ち上げられただけな候補者が主軸のライトチームと
熱い信念を以て立候補するも、結果は全く奮わなかった泡沫候補者が主軸のレフトチームで
おかしい世の中を変えたかったり変えられなかったり、世の中のおかしさを白日の元に晒したかったり呑み込まれたりする人達の
「選挙」を通した三者三様の物語が生々しく展開されてました。
一般的な市民は勿論、レフトライト各々に在日外国人やら反社()やら高齢者やら、政治に対して異なる見解がある立場の人が散りばめられてて面白かったです。
観客の人達もみんな、自分の意識に近しいところを感じられるキャラがいたり、自分の中の政治意識をちょっと振り返ってみたりしたんじゃないでしょうか。
他の方の感想見て気付いたけどライト側に右翼、レフト側に左翼がいたのね。
とはいえそんなにめちゃくちゃメッセージ性を押し出す訳じゃなく、あくまでコメディに
そんなばかなと思うような突飛な発想があったり、味方陣営が寝返ったり、上演時間各70分とは思えない息をつかせぬてんやわんやでした。
全員がキャラが濃くて、台詞回しもコントみたいな緩急があってめっちゃ面白かったです!
全体的に会話で魅せるお話というかんじで、どちらのチームも演者さん各々の力量をひしひし感じられるお芝居でした。
みんなから一様にしょうもなさや生きづらさをしみじみ感じて、全員に一抹の鬱陶しさと可愛らしさがありました。
有り体な言い方で恐縮ですが人間臭いってことですね。
人間臭さを感じるコメディっていちばん好きなので、要するに私の趣味にめちゃくちゃ合う作品でした。両方見てよかった!
※主催団体さんの公式サイトみたいなの見つからなかったので、代わりに当該公演の告知Twitterリンクを。もう全日程終了しましたが……
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