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作品『なつのおわり』

ごめん。

誰にでも言うわけではない言葉が、空間を漂って、弾けて消えた。

何者かに赦されたくて、自分が不甲斐なくて、それでも生きていたかった。

ごめんね。こんなボクで。

「良いから、片付けといて」

小さな頃に母からも同じ言葉を言われたな、と思い出すリビングデッド。

──

「ごめん」

「ほんと、いつまで経っても片付かなかったね。どうするのこの家」

「孫たちが何とかしてくれるかなぁ。。。」

そうやって人任せにしたのは、はじめてね。と呆れて言われて。

いつまでも、不甲斐ない。

声を発せなくなるその時が、すぐそこなのだと、知った夏の終わり。


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