幼児期から無意識のうちに形成されるジェンダー観とは

大学3年生になって、初めて、単位のためだけにではなく、自ら興味のある授業を受講した。

その授業が「ジェンダー学とインターセクショナリティ」

きっかけは、2年前に行った留学経験。カナダのトロント滞在時に行った『LGBTQ』のプライド・パレード。それからジェンダーについて興味を持つようになった。

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誰もが自分の本当の姿を表現し、生き生きとした光景。性に対して、ここまで寛容で、自らの姿をオープンにできる環境が当たり前のトロントで目の当たりにしたこの光景は日本では絶対に見られない。(全裸でパレードを楽しむ人もいた)だからこそ、学問として、日本ではまだ少ないジェンダー学について学んだ。この授業を受講し、周囲の環境や家庭環境によって幼少期から無意識的に形成されていく日本のジェンダー感に興味を持った。どれだけ私たちが、日々の生活の中で、ジェンダー・ステレオタイプに囚われていたのか。身体的特徴が"Female"(女)、あるいは"Male"(男)であろうと、『性的指向』を感じる対象はどちらかに限定される必要はない。同性愛も、普通の人間なのだ。

ランドセルの色、子供の頃に遊んでいた玩具、男女が隣り合わせの学校の席、男女別の制服。これらは、私たち自身が自ら選んできたか。そうではない。自動的に、無意識のうちに、女性は赤やピンクを好むように女性らしく、男性は男性らしくいなければならないという価値観に縛られている。

そこで、私は、身の回りの同じ世代の友達に「ランドセルの色、なぜその色にしたのか、誰が選んだのか」約10名程度という少ない調査だが、インタビューをしてみた。回答はもちろん、ほとんどの男性(ここでは身体的特徴を表す)が黒や青、女性は赤だった。問題は、その理由。大半が、「両親や祖母、祖父のプレゼントで貰った」と言っていた。自分がどんな人間か、誰に性的指向を感じるのかがまだ分からない幼児期の段階から、社会的環境、両親や周囲の環境が女の子は女らしく、男の子は男らしくあるべきだと決められる。その結果、思春期以前の子供たちは「男らしさ、女らしさ」を受動的に内面化するようになるのだ。

 インタビューの一環として、知り合いのLGBT当事者にも話を聞く機会があった。その方は、アメリカと日本のハーフ、FTMゲイ(Female to Male Gay)で、約5年前に女性ホルモンを取ったと話していた。彼に同じ質問をすると、ランドセルの色は赤だった。おばあちゃんから貰った色がその色で、もし自分で選んでいたら、黒だっただろうと話していた。彼は、小学校から日本で過ごし、中学校・高校は基地の中のアメリカンスクールに通っていた。彼自身は、物心ついた頃から自分の変化に気づいており、自分自身を隠すこともせず、前向きに生きてきたという。周囲からの偏見もなく、いじめも体験したことのないと話していた彼は、包み隠さず自分のことを話してくれて、とても嬉しかった。アメリカでは、LGBTQに対して、とても寛容であり、日本がここまでLGBTQに関して無知であり、性別は男と女の2つで成り立つという社会的概念に固執していることがこの調査で分かった。

 大学生活にもそろそろ終わりが見え始め、将来私たちは「親」として子供を育てる立場になる。どういう風に子供を育てたらいいのか。一つ言えることは、出産する時の身体的性別によって、子供がどう育つかが決まるわけではない。それは私たち親が決めるわけではない。子供たち自身が決めることだ。女の子が生まれたから、ピンクの洋服を着せ、リカちゃん人形を買ってあげるのではなく、選択肢を子供にさせることが重要だ。子供がまだ選択できない幼児期までは、ジェンダー・フリーのおもちゃや色など、「女の子なんだから」「男の子なんだから」という言い方を、少なくとも私は、やめようと思う。

最後に楽しそうなジェンダーフリーのおもちゃを載せておきます(笑)

男女の顔や肌の色にも差がなく、どんな洋服も着せられるから、ジェンダーレスのおもちゃとして話題殺到中!


『LGBTQ』

L:Lesbian(レズビアン:性自認が女性の同性愛者)

G:Gay(ゲイ:性自認が男性の同性愛者)

B:Bisexual(バイセクシュアル:男性・女性の両方を愛することができる人)

T:Transgender(トランスジェンダー:主に身体的な性別と性自認が一致しない人)

Q:Questioning(クエスチョニング:自分の性別がわからない・意図的に決めていない・決まっていない人)

性的指向:性的な欲求・感情・行為といった性愛がどういう対象に向かうのかを示す概念のこと。恋愛感情の対象。



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