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《私の履歴書》前々職の頃の記憶 4

いつも見ていただきありがとうございます! 今日は続き物のこのコーナーです。前回記事は↓をご覧ください。

さて、退院した僕はある新規のお客さんの担当をすることになりました。Mさんとでも申しましょうか。建築担当者が実は"国文学科卒"だという重大な事は徹頭徹尾伏せたまま、打合せに臨むことになりました。

Mさんはいろいろ鋭い質問も多く、それに応えるために死ぬ気で勉強しました。会社から帰っても、休みの日でも、建築法規と睨めっこして。あれ程に勉強した1年はなかったかな? と思うほど。

でも、そうこうしているうちに、だんだんMさんと打ち解けてきました。「一生モノのいい家、創りましょうね!」が合言葉になりつつあった。この頃からたぶんMさんとは仲間になっていたんでしょう。本気でぶつかる毎回の打合せが楽しみに変わり、僕もこの人たちのために最高の家を作りたい!と気合いも入りまくっていました(笑)

建築の現場がはじまったある日、Mさんの奥さんと息子さんを連れて現場に行きました。「土間コンクリートに息子さんの手形、付けときません?」というのが提案内容です。めちゃくちゃ喜んでもらえたのを覚えています(^-^)

通常、建築スタッフは打合せ中から建築に入った現場まで、5~10現場を同時に廻すのですが、さすがにペーペーの僕にそれは無理だろうということで、ほぼMさんの案件のみを手掛けていました。

現場は現場で、大工の親方から「誰だこんな納まらない図面描いたヤツは!」「僕です~」「現場はお絵かきじゃねえんだぞ!」「そうっすね。そこ、どうしたらうまく納まりますかね。僕はこう思うんですが…」なんて具合で協力業者の親方からは怒られ、その都度学び、勘どころを吸収していきました。

だいぶ余裕を見た工程を組んでいたため、現場は基本的に和やかで、Mさんたちが遊びに来ると、大工の親方が率先して建物を案内してくれました。

そうして、とうとうお引渡し。嬉しそうなMさんたちを見るだけで、もう満足です。ブラック企業だけど、この瞬間はそれを忘れていました(笑)

お客さまにはアンケートがあり、建築に満足がいったか?という質問内容なのですが、Mさんからまさかの満点をいただき、「担当1現場目から最優秀取るなんて、すげぇ奴が来たな」「あいつ本当は営業だぜ?」と関東エリアの仲間たちの知るところとなるのです。

さて、これがブラック企業の持つ僅かなホワイトでした。後は推して知るべし。問題山積みな現場の担当へと駆り出されていくのです。

さあ、おいでませブラック企業(^-^) 次回もお楽しみに!

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