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キリ番を踏む #青ブラ文学部

 師走に納車した単車だけど。
 やっとキリ番を踏むことができた。
 元旦からコロナ罹患で自主隔離生活で、2月には長崎市に出張してさらには荒天続きでとても走れたもんじゃない。
 天候を眺めながら、隙間時間に都合をつけながら、丹念に数字を刻んできた。この日は大時化で離島便はほとんど欠航していたので、単車に乗るような風向きではない。
 だけど今日こそ拝める数値がある。
 南風が海面を蹴立てて、白浪がうねる海岸通りを駆け抜けて、メーターにそれを確認した。
 どうも世代柄で999という数値に、何ともいえない郷愁がある。
 言わずと知れた『銀河鉄道999』という劇場版映画だった。少年が青年に彩りを変える青春物語に、大宇宙浪漫というスパイスが効いていて。
 そこに仄かな恋情が垣間見えている。
 最早、青年は遠く、熟年はとうに過ぎて、発酵しつつあるお年頃だけど。
 気持ちは青年のままでありたいと思う。


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