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大きい小さい


かなとこぐも

真夏の入道雲が上へ上へと昇っていくと、ある高さでそれより上へは行けなくなる

それで行く手を阻まれて横に広かったのが、かなとこぐも

その上は成層圏

もっと上にいくと宇宙空間にでる

そこからみたぼくは小さな小さな、小さなものだけどそれを知っているぼくの意識は宇宙に広がっている


コメツキムシ

堤防にあがる階段でかなとこぐもを見ていたぼくの足元にコメツキムシがいた

手でつまんでひっくり返してピョンと戻るところを撮ってみたいと画策したけれどそれこそ瞬きの間にもとの姿勢に戻っていた

あんまり弄ぶと弱ってしまうので一回だけでやめておいた

危険を感じたのかコンクリートの階段を必死に上っていった

コメツキムシにはかなとこぐもは見えるのだろうか

かなとこぐもの上からぼくは見えるだろうか

こんなに大きなかなとこぐもも、宇宙からしたら小さなものなんだろう

でもぼくは宇宙の果てまで考えを馳せることができる

だからどうってことでもないけど


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