空に浮かぶは
仕事から帰って、ノンと散歩に出る。
今朝は未明に雨が降ったみたいで、日中も気温が上がらなかった。
事務所棟は古くてエアコンの効きが悪い。ただでさえ週始め、おまけに先週の末にトラブルがあって体調が上がらないから、気分がいまいちだった。
夕方、駐車場を出るときにメールを確認したら注文が一件入っていて、喜んで、郵便局に寄ってスマートレターを購入した。
帰宅して散歩に出ると、空に細い月が浮かんでいた。旧暦の三日は一昨日くらいで、だから今日の月は五日月だ。そんな知識を半端に仕入れてしまったものだから、もう形で三日月と呼べばいいものを、妙にこだわってしまう。
単焦点レンズで撮る月はいつも小さくて、だから好きだ。
ノンに引っ張られながら、五分おきくらいに移ろいを記録する。
月に人類を再び立たせようと、いろんな国が今また競り合っている。レアメタルを先取りしようとしているのだそうだ、とニュースで耳にした。
そうか、あの月がお金に見える人たちもいるのだな、そうしたら月に国境線を引くのかな、アフリカ大陸みたいな直線の。倍率のいい望遠鏡なら、ショベルカーが見えるかもしれない。
どんどん暗くなる空に浮かぶ月を、ぼくは月のままでいいや、と思いながら、これで今日の最後の一枚にしようと思う。
🌙
思ったけれどやっぱりもう一枚、撮った。
光をより多く取り込む設定にするから、シャープな月の輪郭が、少しぼやけて写る。
地球照が少しだけ強調されて写っている。
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