Speedrun.comにゲームを登録してモデレーターになった話
Speedrun.comについて
RTAをしていると必ずお世話になるサイトと言えば、そう、「Speedrun.com(以下、SRC)」ですね。
世界最大のRTA(海外ではSpeedrunという言い方が一般的)の記録を集めたサイトです。
RTA走者であれば誰もが、「自身の記録をSRCに登録したい!」と思うはずです。
マリオシリーズなどの超メジャーなものから、走者が1人しかいないような超マイナーなゲームまで、無数のゲームが登録されています。(ロックマンシリーズのように、別にサイトがあるシリーズもあります)
そんな私も、SRC上に何タイトルものゲームの記録が掲載されています。
世界記録もいくつか持っています。
SRCにゲームの記録を掲載するには、ゲーム毎に定められたルールに従って走った記録動画が必要になります。
それを提出して、モデレーターと呼ばれる各ゲームを管理している方が審査します。
問題が無ければ記録が承認され、提出したタイムに応じてリーダーボードに掲載されます。
逆にルール違反があれば、却下されてリーダーボードに乗ることはありません。
今までは英語で書かれたルールを必死でDeepLで翻訳して、レギュレーション違反していないかビクビクしながら記録を申請していたものです。
SRC上にゲームが無い
ところが、申請したいゲームがSRCに登録されていない場合はどうでしょう?
2022年9月14日にNintendo Switchで発売された「いつでもGOLF」というゲームを購入したところ、RTAをしたいと思うくらいすっかりハマってしまいました。(本来ならマリオゴルフ スーパーラッシュをするつもりだった)
実はこのゲーム、「みんなのGOLF」(以下、みんゴル)シリーズでおなじみの、Clap Hanzという会社が作っています。
個人的にみんゴル派なので、操作に慣れるのも早く、これはいけると思いました。
ところが…
発売から1週間、2週間待てどもゲームのページが作られることはありませんでした。
これは意外でした。
あのみんゴルシリーズの精神的後継作だぞ!?
それではと、過去作のページを見に行ったところ、意外な光景が広がっていました。
各カテゴリ、2~3人しか走者がいなかったのです。
ゲームの知名度を考えるとあまりに少なすぎると感じました。
やはりマリオ強し。
こうなると、まずゲームのページを作るようにSRCに申請しなければなりません。
しかし、これが非常に大変な第一歩だったのです…
SRCにゲームページ作成を依頼
まずゲームページを開設するには、SRCに申請する訳ですが、もちろん条件があります。
詳しいルールはこちらのページに記載されています。Sub-CategoryでNew Gameを選択すると、ルールと申請フォームが表示されます。もちろん全て英語です。
色々書いてありますが要約すると、
ゲームのリクエストを送信する申請者は、SRCのアカウントをリクエストを送信する7日以上前に作成する必要がある
ゲームのリクエスト申請者、すなわちモデレーターとなる者は、最低2つ以上のSNSアカウントを持っていなければならない(2つ未満のSNSアカウントしか無い人は自動的に却下されるようです)
ゲーム名は公式の名前を正確なスペルで入力すること(これはURLがゲーム名となるため)
追加メモ欄には、そのゲームの説明、設定しようとしているカテゴリの説明、ルールの案などをなるべく詳細に記入すること
ページの下の方に申請フォームがあります。
いよいよここに入力していきます。
まず、一番上のフォームには、そのゲームの公式サイトを入力します。「いつでもGOLF」は公式日本語サイトから簡単に英語のサイトに切り替えられるようになっていたので助かりました。
そしてこの次が面倒でした。自分が実際に走っている動画のリンクを貼らなければいけません。つまり、カテゴリーとそのルールを詰めてからゲームの申請をしなければならなかったのです。
これは盲点でした。
私は急いでカテゴリーとルールを考えて、とりあえず1カテゴリー走った記録動画を提出しました。
その次はゲームタイトルです。
これも海外タイトルを入力しなければなりません。
「いつでもGOLF」の海外タイトルは、「Easy Come Easy Golf」です。英語版公式サイトに記載してあったので私は助かりましたが、日本人からすると、ぶっちゃけ相当調べないと分からないと思います。ちなみに私は「Everytime Golf」とかかな?って思ってました。追加メモ欄の際に後述しますが、元々Apple Arcadeで「Clap Hanz Golf」という名前でリリースされていたらしく、当初の英語版は同じ名前でした。
次はゲームの発売日です。
ここは、各国のバージョンがある場合、一番早く発売された国の発売日を入力します。
今回は2022年9月14日に世界同時発売だったので、その日付を入力しました。
その下のチェックボックス達は色々と該当項目がある場合にチェックしますが、殆どのゲームは該当しないので、あまり気にしなくてOKだと思います。
さて、最後は例の追加メモ欄です。
説明はさておき、実際に入力した文章をそのまま公開します。
これを日本語訳すると、
ぶっちゃけこれ考えるのに3日くらい掛かりました。
とりあえずこれで申請してみました。
2週間くらい掛かると思うけど待っててね~って書いてあったので、気長に待つことにしました。
ゲームページが作られた!
申請から5日後くらい経ち、SRCに通知が来ていました。
自動的に「いつでもGOLF」をフォローした形になっていたので、ゲームのページに行ってみました。
すると、そこにはゲーム名と発売年とゲームのサムネイル画像だけがあるページが…
とりあえずカテゴリーを作って、自分の記録を登録しなければ。
その前に、ゲームのメインのルールを作らなければなりません。(定めていないゲームも多いですが)
私の場合は、申し訳程度に設定しました。
このゲームには、コントローラーを使って操作する方法と、画面をタッチして操作する方法がありますが、キャプチャー環境ではコントローラー操作しか選択できません。
従って、メインルールとして、「コントローラーモードしか許可しませんよ」という記載をしました。
後はカテゴリーごとに変わってくるので、カテゴリールールに記載します。
カテゴリーの作り方は割と簡単で、FULL-GAME CATEGORIESのNew Categoryをクリックして、カテゴリー名とルールを記載していきます。
イマイチ分からなかったのが、Player Countという項目。恐らく単走とか並走とかだと思い、1に設定しておきました。
実際に記録を提出するページにも項目があり、1playerと選択するようになっていました。
今まで別ゲームには出てこなかった項目なので、最近アップデートされたのかな?
Miscはその他のカテゴリーとして登録されます。そのうち何かカテゴリー作るかもしれません。
その下のTimer ascは説明読んでもよく分からなかったので、オフのままにしました。
その下のEnforce MSは、ミリ秒単位まで計測するかどうかだと思います。
ゴルフゲームはそんなにシビアにタイムを計測するゲームではないので、オフのままにしてます。
そして、それぞれのメインカテゴリーに、サブカテゴリーを作ろうと思っていました。
このゲーム、スイングの操作に、従来通りのオーソドックスなゲージ3回押しと、スティックで直感的に操作する方法があります。
それぞれにメリットデメリットがあるので、カテゴリー分けしようと思いました。
そこで私は壁にぶつかりました。
で、どこでサブカテゴリー作るの?
サブカテゴリーの作り方
カテゴリーの管理画面では、FULL-GAME CATEGORIESとINDIVIDUAL LEVELSとINDIVIDUAL LEVEL CATEGORIESの3種類設定できます。
FULL-GAME CATEGORIESは先程説明したメインカテゴリーの事です。
INDIVIDUAL LEVELSとは、さらに細かく区切ったカテゴリーの事です。
例えば、ゴルフゲームならばコースごとに分けたカテゴリーだったり、レースゲームならサーキットごとに分けたカテゴリーだったりします。
INDIVIDUAL LEVEL CATEGORIESとは、INDIVIDUAL LEVELSのサブカテゴリーです。
えっ、じゃあFULL-GAME CATEGORIESのサブカテゴリーはどこ?
私必死に探しました。そうしたらどうやら変数タブで設定できるという情報を得たので、そこで設定しました。
適当にControlsというValueの名前にして、Triple TapとStickの2種類サブカテゴリーとして設定しました。
設定内容は以下の通り。
とりあえず全てのカテゴリーに反映されるようにして、Use as sub-categoryをオンにすることで、サブカテゴリーとして認識されるようになるはず。
リーダーボードの完成!
そしてようやくリーダーボードが形になりました!
ルールもちゃんと反映されているようです。
難しい文章は書けないので、ほぼ箇条書き状態になってます。
とりあえずこれで完成ということにして、誰かから問い合わせが来たら考えるっていう形でいいかなと思っています。
恐らくそんなに走者さん増えないと思うし。
いや、増えて欲しいけど。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回初めて自分1人でゲームの申請からリーダーボードの作成までこじつけました。
今回の件で最も大事だったのは、間違いなく英語力!
DeepLとか優秀な翻訳ツールもあるけれども、丸投げ翻訳した文章では伝わらない可能性もあるし、SRC特有の表現もあるので、それらを加味した上で申請したり、ルールを記載したりしなければなりません。
そして、日本語の情報がほぼ皆無なので、自力で何とかしなければならない点。
中学レベルの英語力しかない私にはかなり厳しいチャレンジでしたが、結果的に上手く行ってよかったです。
そして、私はこのゲーム唯一のモデレーターです。
今後もし記録動画が提出された際、モデレーターは3週間以内に承認もしくは却下の判断をしなければなりません。
むしろここからがモデレーターの役割としての本番が始まるのかもしれないですね。
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