本気の相談と、本気の雑談の違い。出版の気持ちを伝える前に。 ~作家売買~
出版社してます。っていうと、たまに初めて会ったばかりなのに「私の本の企画を書籍化してほしい!」ってドギツイ・パンチを貰うことがあります。
もちろん、ほぼ冗談半分の雑談の方々が殆どです。
でも、本気で「言えば、どうにかなるんじゃね?」って勢いでグイグイと「出版してほしい」って営業かけられたことがありました。
ちゃんとうちの会社の営業理念やら、明日、潰れてもおかしくない超絶小さい会社であること、大会社の出版社や編集さんたちとのパイプなんて一切ないって説明もしたのに、当社に営業をかけてくれて嬉しくて、つい、話を聞いてみようってお茶しました。
で、その出したい本の内容がないんです。
「○○に関する本を出したい。」
「○○してる人向けの本」
「○○に役立つ本」
という、ものすっごい大きな範囲で、かつ、すでにたくさん出版されている本を出したいと……
実際、その分野を本格的にリサーチしたわけでないですけど、話をきいているうちに「ああ、そうゆう関係の本って、本屋や図書館で見かけたな~」ってずっと思っていました。
で、よくよく聞いてみると「自分が納得できる、その○○に関する本に出会ってないので、作りたい」ってことみたいでした。
私自身も、自分で会社を作ったのは「自分の本を出す為」=「自分の納得できる本を作りたい」って思いがあったから会社してるので、根底はこの方と一緒だな。って、話を聞き続けていました。
けど、より深く突っ込んで
「将来的に大々的に変更があってもいいので、現時点での具体的に、可能な限り、どんな本(大雑把なあらすじ、目次、表紙などデザイン、他の本との違い等)をイメージしているのですか?」を聞いても、
「それは、まだ決まっていない。」
と、言われました。
企画書的なモノまでは求めてなくても、その話の時点で何一つイメージや具体例がなければ、正直、本気度を感じられませんでした。
結局、話しの流れは「自分が納得できる○○に関する本」がないって愚痴になっていきました。その解決策の一つとして「自分で○○に関する本を出したい」って思っていた方なのかもしれません。
それから連絡を頂いていませんので、どこかで納得いく○○関係の本に出会ったのか?
私の話を聞いている態度などから、当社と仕事のご縁を感じてくれなくて、本当はあった具体例を話さなかったのか?
別のよい出版社と出会ったのか?
やっぱりご自身で出版を決めたかの?
本業が忙しくなり、別で出版タイミングを見計らっているのか?
構想段階なので、誰かに話すことで、自分の構想をまとめたかったのか?などなど。
色々と相手方さんにも語りつくせない事情があったのかもしれませんが、全て私の憶測です。
後々、思い返しましたけど、やっぱり向こう様も、初対面の一人出版社やってる相手に、おいそれと仕事タネを話すメリットはないだろうしな~って理由もわかりますし。
そんな、本気の相談と言われて聞いた、本気の雑談という腹の探り合い的な愚痴でした。
世の中、縁は異なもの味なもの。
今回はただのお茶でしたが、もしかしたら、またどっかで出会って、意気投合して○○に関する本を当社から出版してくれるかもしれません。
そう、だから税務署職員さん!
この日の飲食したお店の領収書は、そうゆうわけで仕事の打合せ代として、接待的な?会議費的な?
ちゃんと経費として、計上しますからね~。
法人税の手続きの計算で、領収書を見て思い出しました。
私の領収書物語とうい与太話でした。
今日も、誰かに笑われていますように。
執筆者:さわ