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一眼ド素人が舞台を撮る【福岡学生演劇祭】

福岡で演劇やってる教育学徒、沢見さわです。

一眼レフカメラを持ってます。
機種はCanonのeoskiss x7
初心者向けのエントリー機として超有名ですよね。

ちなみに去年の夏に衝動買いした、
ミーハー心あふれるド素人です。

(大学生になるとみんなやけに一眼レフ買いたがるのは何なんでしょう)

でも「好きこそものの上手なれ」ということで、「舞台写真」に関してはそこそこ撮れるようになりました。

先日の福岡学生演劇祭でもカメラマンをさせていただきめっっちゃ光栄です。

今回はその時の写真の紹介をメインに、私のようなド素人でもそこそこの舞台写真が撮れる方法を最後にちょちょっとメモっておきます。

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福岡学生演劇祭の定番になってきたんじゃないでしょうか、この「囲み舞台」。

四方にお客さんがいます。

「囲みらしい」演出が光るのも演劇祭の面白さですよね。

ただ、撮影の観点から言うと超大変でした。

背景にお客さん入りまくる、役者の背中ばっかり撮れる、全シーン押さえるには四方を走り回らなければならない…うーん、ド素人には厳しい。

その辺りの苦労も写真を見ながら笑ってもらえると嬉しいです。

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今回の出場団体は10団体!

まず、Aブロック。

A-1 ロボットパンケーキZ
「Girls on the Poolside」

4人の女の子のパジャマパーティー。
ロボパンさんはホッピングシャワーのようなカラフルでパチパチした表現がいつも素敵です。

今回はそんなホッピングシャワーがトロトロと溶けていくような、刹那性や儚さに溢れたシーンもあってたまらなかったです…。

あと女の子が全員かわいい…そんでもって唐突に世界に出現して笑いをかっさらっていく演出陣…。

A-2 unitアルケミスト計画

本番直前のトラブル、しんどいですよね…。
それでも舞台に立ちきった根性に胸がギュッとなりました。

A-3 チームラピュタパン
「砕ける夏雲」

九州大学演劇部の現役ユニット。後輩たちつよい。

何気ないようでいて後戻りのできないすれ違いを重ねていく日常。そんな彼らを侵食する、夏の音、スイッチ、抜けた髪の毛、そして「折り鶴」。

「空気」とか「非言語」を作るのが一番上手だったと思う。

A-4 ユニットでも、でも
「あすのあさ、ゆめをみる」

1人の男と、4人の少女。
白い花が舞い散り、それを1つ髪にさして少女たちは男に語り続ける。

舞台上、そして役者の動きのそこかしこに心を配ってあるのがとても良かったです。

「チクタク」とか「レジュメ」とか言葉の美しさも映えてたなぁ。

A-5 でいどり。
「夕暮れの公園、静寂を忘れて。」

私が所属してるMr.daydreamerの派生ユニットです。

この作品だけでnote1本書けるくらい想いが溢れますね。

デイドリの作品が好きだから所属したという訳ではなかったんですが、今回は言います。

大好きです!!!!!!すごい!!!!

この時だけはカメラマンとして舞台の外側にいるのが悔しかった…!!!!

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え、待って…まだこれで半分…???
いつになったら撮り方の話ができるんや…

……Bブロック行きます!!!

B-1 がらくた宝物殿
「止まる気配のNASA」

こんな引きの写真でも分かるポップな色使い。
お芝居はこの色使い以上にポップで、ワクワクと笑いに満ちてます。

主宰の方がほんと最高なんです…。
どこからあの世界観と演技、あとネタが生まれるんやろ…。

B-2 ジャカっと雀
「血潮」

「手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮」

この歌がずっと頭の中に流れて。

美しいマイムとふとした瞬間の会話だけで構成されるこの作品。

そこから世界の全てが掴める訳ではないけれど、遠くに輝く太陽を手のひらに透かしながら、淡くかつ確かに描いていくようでした。

B-3 陰湿集団
「かぐや姫競売会のご案内」

光源が…ない……。(カメラマンの悲痛な叫び)

暗幕(じゃない天の羽衣)をかぶり短歌(俳句だったかな?)を詠み続けるかぐや姫。

なぜか全身白塗りの付き人。

真っ暗な舞台をペンライトで照らすお客さんたち。

……撮るのは諦めて観客としてめっちゃ楽しませてもらいました!!!笑

B-4 星団まなつ
「求」

舞台中央に青く光る泉。
そのふちで2人の少女が言葉を交わす。

「なんて綺麗なのだろう…」と。
泉が出来上がる瞬間に息をのみ、2人の少女の美しさにただただ見とれるばかりでした。

……美少女はズルい!!!!最高!!!

B-5 チームドリーム
「劇病」

こちらも九州大学演劇部現役ユニット。
きゅーえん多くない?
つよい(小並感)

ドラマチックにアレルギーのある女の子の周りで、とにかくドラマが起こる、起こりまくる。

役者が1番楽しそうに舞台に乗ってたな。
演出の子も言ってたけど、よい「コントっぽさ」が出てた。演劇とコントって実は地続きだよね。

リラックスしつつ熱い芝居が魅力的でした。

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……やっと全団体おわった!
ここまでちゃんと読んだ人います?
もう大好き。

でもまだまだ行くよ!
ここからは順不同で独断と偏見による沢見のお気に入り写真!

「好き」が溢れる写真を厳選してます。

ただ、あくまで「写真として」です。

「演劇として」だったらもう全団体らぶい。

よっしゃ、行くぞー!

どうです?

お好きな写真はありますか

「学生演劇祭ってこんな感じなのか。ちょっと観に行ってみたいなー」とか思ったりしてません?

演劇は良くも悪くも「その場限り」です。
劇場にいなかった人にその演劇がどんなものだったのか正確に伝えることは不可能です。
(もちろんそれが演劇の価値でもあるんですが。)

だからこそ「舞台写真」。
舞台写真は演劇をそのまま伝える訳ではありませんが、写真として「新しい作品」になることにより、劇場の外で確かな価値を発揮します。

ちょっとでも「いいな」と思ってもらえたら、そして演劇に興味を持ってもらえたら嬉しいなー。

広がれ、舞台写真。

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やっと撮り方の話ですよ。やったー。
(本来はここを本題にすべきなのに演劇祭への愛が強すぎる)

独学かつノリで撮ってしまっているところがあるので、もし間違いや改善点あればぜひ教えてください。

現時点で私が気にしてるのは3つだけ。

①どっちのレンズを使うか
②どこにピントを合わせるか
③シャッタースピード

慣れたら誰でも撮れる!
(そして私の仕事がなくなってしまう!)

①どっちのレンズを使うか

まずはレンズについて。

eoskiss x7はダブルズームキットということで、2種類のレンズが入ってます。

A : 標準ズームレンズ
B : 望遠ズームレンズ

同じシーンをそれぞれのレンズで撮ってみるとこんな感じ。

同じシーンですけど、全く印象違いますよね。

私は大体、Aでそれぞれのシーンを押さえた後に、Bでふとした表情や動きを狙うという流れで撮影してます。

2個レンズがあるだけで世界がグッと広がるので、eoskiss x7のダブルズームキットはほんとにオススメです。

ただ、撮影中にガシャガシャレンズ交換するのがちょっとめんどい……。

カメラ本体も2台持ちしたいところです。(次の購入候補をググりながら)

②どこにピントを合わせるか

オートフォーカス機能があるので、ピントは勝手に合います。

ただ原則として「手前のもの」に合うんですね。

となると、こういった写真が撮れてしまいます。

おわー、これはひどい。
テープにピントが合っちゃって奥で何やってるか全然わからん。

と、ならないためにこちらを使います。

ピントを合わせる位置を指定できるんです。

これで上部にピントを指定すると…。

こんな感じ!

顔にピントが合ってます!
(…合い切ってない気もしますがさっきよりはマシです!!)

この写真お気に入りすぎて何度も見てる…

③シャッタースピード

最後ですね。これが1番気にしてるポイントです。

簡単に説明するとこちら。

沢見の脳内って感じですね。
字が汚いし理解が雑。色は可愛くしてみました。

(こんなに雑な理解でもたまにどっちがどっちだったか混乱するポンコツ)

このシャッタースピードもオートにできますが、舞台に関しては照明変化でコロコロ明るさが変わったり、そもそも客席と舞台で明るさが異なるので、全く使い物になりません。

なのでシャッタースピードは手元ですぐに設定できる状態で撮影しています。(Tvモードですね)

設定値を失敗するとこんな感じ。

おわー、かぐや姫の付き人さん発光しとる……。

これはシャッタースピードが「遅すぎた」失敗ですね。明るすぎるしブレまくってます。

設定値の目安としてはこんなもんでしょうか。

舞台によって条件は全く違うので、あくまで目安です。感覚が掴めるまでは、同じシーンで3パターンくらいシャッタースピードを変えてあとから吟味しています。
(こんなやり方をするから撮影枚数が大変なことになるんですよ……。)

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……ふう、やっと終わりです。
ここまで読んだ人います?
すごいです。

こんなところまで来ちゃったんなら、もうコメントください。「文章が暑苦しい」とかでもいいので。

愛と感謝を込めて暑苦しく返信いたします。

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今回は「一眼ド素人が舞台を撮る」ということで書かせてもらいました。

最後に書いた3点さえ押さえれば、今回載せた程度の写真は撮れます。
(完全な独学なので技術的な間違いもあるかとは思いますが)

あとのオリジナリティの部分には、カメラマンそれぞれの「演劇の見方」が関わってくるかと。

私も演劇への愛が深いが故に、なかなかクセのある見方をしていて、それが写真にも滲んでいると思います。

それが少しでも写真を見る人の「いいな」に繋がっていけばなぁ、と。

自分の「演劇の見方」を人に共有できる機会なんてなかなかありません。

だからこそ、舞台を撮るのは本当に楽しい。

もっともっと「舞台カメラマン」仲間が増えていくことを願っています。一緒に撮りましょう。

(カメラマンが多いと囲み舞台で走り回らなくて済む……!!!)

最後になりますが、この度は福岡学生演劇祭にてカメラマンをさせていただき本当にありがとうございました✨

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