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機運を乗りこなす

僕は機運という言葉が好きです。
自身が能動的に動かす意味合いが強い「チャンス」という言葉もありますが、受動的な意味を持つ「機運」も大事にしたい。

機運:時のめぐりあわせ。おり。ちょうどよい時機。世の中の動向、趨勢。

コトバンク - 機運

元々僕のバックグラウンドは18年前のマークアップエンジニア兼デザイナーから始まっており、ウェブに関する技術視点でデザインを行うのが得意でした。そんな僕が社員20人程度のnoteに入社し、事業の解像度が徐々に上がっていくにつれて課題だと感じるポイントがポツポツ出始めました。

  • スタイリング属人化の解消

  • マークアップの整備

当時、私はこの課題感を抱きながらも、事業の大きな波を妨げずにこの課題を解決できるかを模索していました。

この2つについて多くの課題感を感じつつ、大きく解消せず小さく解消する意識を大事にしました。なぜなら、ここに投資することに不確実性が高いことと、解決した先に事業加速させるほどの価値があるか当時は不明瞭だったためです。

ただ、どこかで大きく改善したい。
そう考えながら、機運という波を待つ事にしました。

波に乗る

小さな波は定期的に訪れました。たとえば、SEO文脈のマークアップやフロントエンドエンジニアの増員、AngularJSからNuxt.jsへの移行などがありまし、自身が関わり解決可能な課題に積極的に参加しました。

これらの小さい波に乗る過程で、
スタイリング属人化の解消 → スタイリングの共通言語の不在
マークアップの整備 → アクセシビリティの意識
元々あった課題感も変化していきました。

そして大きい波が訪れます。

デザインシステムと
アクセシビリティという大きい波


スタイリングの中心デザイナーが退職する。
採用も加速し、スタイリング可能な人を増やさないとデザインが開発のボトルネックになってしまう。

社内で課題感を感じる人が多く居た。
同じ認識の人が2人以上おり、対話を経て熱量が上がって行った。また、相談可能な人が身近に居た。


これらの状況が明らかになり、組織全体での課題が浮き彫りになりました。これによって、個人的な課題が組織の関心事に直結し、大きな波に乗る理由ができました。

どう乗るのか

よく自身のやりたいこと・課題感と事業の方向性についてのギャップというテーマの話は聞きますが、この2つの波をぶつけたり別々のものとして扱うのはかなり難易度が上がると思います。乗り方のコツとして、

  • 事業という大きい波は常に意識し衝突させない。

  • 自分の直感を殺さずに、アウトプットし共感する仲間を知っておく。

  • 大きい波の当事者になっていられるようにする。

    • 波にすぐ乗れるようになっている。

    • 大きい波を察知できる場所にいる。

これが最も大事な事だと感じています。

機運を乗りこなす

結果として、

デザインシステムを通し、ウェブのスタイリング業務はエンジニアが持てるようになり、施策進行スピードも上がり複数の目的別のチームで分かれたとしても、チーム内で完結できるようになりました。また、この取り組みがあったことでデザインはデザイナーだけが語るものではなくエンジニアがデザインを扱う機会にもなりました。

アクセシビリティを通し、プロダクトのマークアップはマシンリーダブルでスクリーンリーダーでも利用でき、noteはさまざまな使い方ができるようになりました。また、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」ミッションに近づくことができました。

これらの波は収まっておらず、引き続き大きい波として動き続けています。


事業という大きな波に乗りながら、入社当時に感じていた個人的な課題感を持ち続けたのは大事なことだと気付かされました。
もちろん、自分で大きな波を起こすことも出来ると思いますがすべてがすべてうまく行くわけではなく、タイミングも重要になります。

大きな波の発生を察知できる環境に身を置き、必要なタイミング・求められるタイミングでちゃんと波に乗る。そのために、同じ課題感を持ってる人が誰かを知り、自身が考える課題感を伝え、新たな波に乗っていきましょう。


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