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40歳の成人式。

私は20歳の成人式のとき、実家が子供2人分の学費負担で余裕がないことをよくわかっていたので、「別に振袖なんか興味ないし!成人式も行かないし!」と強がっていました。本当はどこかで着てみたい気持ちもあったのですが、20代半ばで早々に結婚してしまったので、着る機会を逃してしまいました。

そんな中。40歳になる年のお正月。写真家としても活動しているレコーディングエンジニアさんがお仕事でお越しくださることになり、着物女性の写真をよく撮っていらっしゃる方だったので私も撮影していただくことに。

茶道の世界にも少し足を踏み入れたことがある私は、自分の着物をひと通り持ってはいるのですが、いわゆる「アー写」になるような華やかなものはなくて。どうしようかなぁと考えているときに、街で観光の方がとても素敵な着物で撮影をしているのを見かけたことを思い出し、明治館にある貸衣装のお店に行ってみたのでした。

もう40歳になるんだし大人っぽく!目指すところは藤あや子さん!と思い(笑)、黒色の着物を選ぼうとしたのですが、私が気に入って手に取ったのは絽(夏用)の着物‥。流石に一月にこれは‥と悩んでいたら、お店の方が、こちらはいかがですが?と持って来てくださったのが黒のとっても素敵な振袖!!

振袖!?と思いつつも、せっかくの機会なので着させていただきました。

明治館や赤れんが前で撮影していると通りすがりの方に「成人式かぁ」と言われたりしていましたが、心の中で「すみません!!もう2回目です!!」と答えつつ。

貫禄たっぷりな振袖姿となりましたが、なんだか、自分でも忘れていた密かな願いを神さまが叶えてくれたような気がしてとても幸せでした。

私は何も信仰を持ってはいないけれど、音楽の神さまとか、自分の守り神さまはなんとなくいると思っていて。私の神さまはなかなか律儀な方で、ずっと昔の私が忘れているようなことまで、ポンっと叶えてくれることがよくあります。

最近も20年ぐらい前にすごく憧れた世界と繋がれるような出会いがあって、あっ、まただ!と(なぜか私の神さまはいつも20年?)。

生徒さんから「先生はどうしてそんなに引き寄せる力があるんですか?」と聞かれたことがあるけれど、何かが叶う時の条件をちょっと考えてみると、一度叶わなかった時に、環境を憎んだり、持っている人を妬んだり、自分を卑下したりはしなかったっていうことかなぁなんて思ったりします。ま、仕方ないか、と受け入れながら、とりあえず目の前にあることに一生懸命取り組んで過ごしていると、もっと最適なタイミングで再びやって来てくれる、そんな風に感じます。

このところ過去を振り返るような出来事もたくさんあって、あの時の苦労はここに繋がっていたのかーと感心することばかり。例えばトラウマ級につらい出来事なんかでも、何かのかたちで生きているから、ネガティヴに捉える必要はないんじゃないかな、と。あの経験があるから今の私があるって思えることも年々増えた気がします。

なんだか年を取るのも悪くないですね。私は40歳でやっと少し大人になれた気がするけれど、その記念に素敵な写真を撮ってもらえてよかったです。
感謝!


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