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中国の格差是正と日本の過疎地と。

中国在住の日本人ドキュメンタリー作品監督・竹内亮氏の最新作「中国貧困地区・大涼山ー日本人監督が見た現代中国の“多様性” | 大涼山」が公開された。

彼は中国政府スポークスマンの华春莹に紹介されるなど中国共産党寄りではあるかもしれないが、単純に彼の作品自体が面白いので個人的に嫌いではない。

近年の中国、とりわけ习近平政権は国内の格差是正に力を入れている印象がある。いわゆる「脱贫攻坚战(脱貧攻堅戦)」中国政府の対外宣伝雑誌「人民中国」を読んでいても格差是正がテーマのトピックが多いことからそれが分かる。

プロジェクトの中でも特に私の興味を惹きつけたのが集住政策だ。アクセスが悪く、経済活動にも不便なままであるために貧困層から抜け出せない、そのような地域に住む人々を移住させ「稼げる」ようにするプロジェクトである。

もちろん農村部でずっと生活してきた人々には何も生活基盤がないため国からは様々な補助金が支給されるし、社会の市場化に適応するために職業訓練プログラムも与えられる。動画内では安価で清潔な住宅、テレビやソファーなどが支給されており、また彝(イ)族独特な文化の一つである刺繍で製品を作るプログラムが実施されている場面があった。

私はこのプロジェクトを、日本の地方自治体のダウンサイジング、特に過疎地域に活かせるのではないかと考えた。

一昔前、コンパクトシティなる概念が流行ったことを記憶している方もいるのではないだろうか?実際に、過疎化著しい北海道夕張市では鈴木直道・元市長(現・北海道知事)のもと集住政策が採られた。

集住政策自体は日本においても効果があると考えられる。現在は限界集落と呼ばれる地域に至るまで道路や配電網など一応のインフラが整備されている。だが今後過疎化と少子高齢化が進行するに当たって、どれだけインフラを維持し続けることができるだろうか?鉄道路線がそうであるように、維持費用が利益を上回るとなると、それは即ち赤字を垂れ流し続けることと同義である。

逆説的かもしれないが、「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ためには整備されたインフラが必要不可欠だし、社会システムのためにも集住する必要が今後生じるのではないだろうか。

だが日本において、単に過疎地の人たちを中心部に集住させただけでは持続可能性が低いだろう。都市部への流出を食い止める何かがなければ…

それが何かわからない。私は地方自治の専門でもなんでもないただの学生だ。何か良いアイデアがあればコメントしていただきたい。していただいたところで私が何かできるという訳でもないが…


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