見出し画像

曇り空と眠い頭(2019.11.27)

午前10時40分。玄関のドアを開け、空を見上げる。曇り空だが、うっすら明るい気もする。しばし悩んだ後、小さくため息をついて傘を手にした。荷物になるけれど、万が一降り出して濡れて帰るのは嫌だった。

バスに乗って街へ出るのは…9日ぶりか。前回は短期バイトの面接だった。もうだいぶ昔のことのような気がする。結局断ってしまったことで記憶はすでに曖昧なものになっていた。

セーターの上にトレンチコートを羽織ってきたけれど、想像以上に世の中は寒さを増していた。小さく凍えながらバスを待つ。次出かける時は厚手のコート必須と自分に言い聞かせる。次がいつになるかは分からないが。

病院の予約は11時半。駅から少し歩くけれど、10分前には到着した。珍しく待合室には誰もいなかった。こんな日もあるんだなと、ゆったり椅子に座って待つ。

2週間前から新しい薬が追加になっていた。副作用にだいぶ悩まされたが、特に眠気はこれまでに経験したことがないほど厄介なもので、とにかく一日中眠い。夜中ちゃんと寝ていても眠い。かといって本来良くしたい症状にプラスの効果も出ているので、やめてしまうのもためらわれた。先生に相談し、もう少し様子を見ることになったが、眠気が弱まってくれないと社会復帰も不安になるレベルである。仕事しながらの治療は難しかっただろうなと思う。帰りにハローワークに寄って求人を見てきたが、年内に仕事を決める気持ちはだいぶ薄れてきていた。

夕飯のおかずを買い、帰りのバスに乗る。座っていると背後からカタカタと物音が。後ろの人の傘が当たってるのだろうか。傘、カサ……あ。病院に忘れてきた。降りようか、いや、もう面倒くさい。次の診察まで預かっておいてもらおう。盗まれたら盗まれたで……いいよもう……。(※わたしはビニール傘しか持たない主義なので忘れることも多ければ諦めることもまた多いです。)

こうして無事雨に降られることなく帰宅。玄関の傘立てを見てまた小さくため息をついた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?