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イノベーション・オブ・ライフ(クレイトン・M・クリステンセン)

なぜ、この本

勝手に書評始める、と高らかに言っておきながら、あっという間に4週間が経ってしまいました。
改めて自分の意志と遂行力の弱さ、容量の小ささがもどかしくなります。
しかし、自らを成長させるべく始めたnoteです。
諦めずにゆるり再開します。

2023年から2024年始めにかけ、能登の震災のみならず、人の死の報に触れることが多く、気分が落ち込みました。
亡くなられた人の中に経済評論家の山崎元さんがいます。
かつての山崎さんの主義・主張への同感や共感はさておき、癌に罹患している事を認知してからのお話は非常に示唆深いものでした。
下記に紹介しておきますので、ぜひこちらも読んでみてください。

この山崎さんのnoteの中に「上機嫌なら全て良し」とする記述があり、それで思い出した本がこちらのイノベーション・オブ・ライフ。

ハーバードビジネススクール(HBS)と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
エリート中のエリート、資本主義の士官養成学校など、ある一様な姿を想像されるかもしれません。
この本はそのHBSの名教授、クレイトン・M・クリステンセンの一冊。
クリステンセンの名を知らない方にも「イノベーションのジレンマ」は聞いたことがあるかもしれません。

イノベーションのジレンマを提唱した経営学者がクリステンセンです。
本書はクリステンセンが残りの人生を悟った時に書いた一冊。
原題は「How Will You Measure Your Life?」
どのように人生を測るか?
原題の方が邦題よりも本書の内容に合っていますが、クリステンセンを有名にしたイノベーションにあやかったのかもしれません。

どんな本

HBSで経営学の大家として経営を研究してきたクリステンセンはある事に気がつきます。
経営学の理論は人生に応用できる部分があるのではないか。
すなわち経営理論で人生をより幸せにすることができるのではないか。
そもそも、幸せとは何か。
具体的事例(経営学でいうケース)や考え方を紹介しながら、人生への示唆を与えてくれる一冊です。
「なにが、なにを、なぜ引き起こすのか。」
こうした学問の理論的筋立ては人生にも活用できうる事を具体的なケースに基づいて説き進めていきます。

  • 衛生要因と動機付け要因

  • 意図的戦略と創発的戦略

  • 資源配分

  • アウトソース

これらは「組織の」経営学で学ぶ概念ですが、人生にも応用していきます。
こうやって字面で見てしまうと、無味乾燥な経営理論の人生への当てはめにも見えるかもしれませんが、実際のケースを見ると、そんなことはありません。

誰が、いつ読むのがおすすめ

本書の内容を理解できる読解力があれば(高校生、大学生くらいでしょうか)、早めに読むことをおすすめします。
・新卒、中途を問わず、職業選びを考えている人
・結婚やパートナーを得て、人生を歩み始めた人
・子どもが産まれ、子どもへの接し方を悩んでいる人
・何のために働いているのかを考えている人
・幸せに生きることを考えている人
特に子どもを育てる親として読むと身につまされるエピソードも多いです。
そういう意味でも読むのであれば可能な限り人生の早期に読むのがオススメです。
とはいえ、人生の半分を生きてきた人にも、きっと響く物が見つけられるはずです。

最近、人生の新たなステージに進んだ友人たちにも本書を紹介しました。
彼ら彼女らの人生で幸せのメジャーが見つかることを願っています。


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