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Draventure制作後期

2022/3/31に新作RPG「Draventure」を公開しました。
Draventure(ふりーむ!)

つきまして、制作にあたり考えていたことなど、書いてみようと思います。

作りたかったのは小学生の子どもたちが遊ぶ、はじめてのRPG

小学生の子どもがふたりおり、それなりにゲーム好きだったので、彼らが遊ぶはじめてのRPGとして、シンプルに、僕の思うコンピュータRPGのよさが詰まった作品を作ってみたいと思いました。
と言いつつ、制作が3年越しになり、子どももすっかり育って、その間にポケモンとかオクトパストラベラーとか、もっと複雑なRPGを遊んでいたので、完全に機を逸しましたが……

主人公は子ども自身

このゲームの主人公は兄弟ですが、要はうちの子ども自身にしました。まあ、これが確実に一番共感されるだろうと。そして、彼らが突然ファンタジーRPGの世界にいるというのは不自然でしたので、本の世界に入り込んでいくという導入にしてみました。これ、子どもに対する意識がなかったら絶対に考えなかったと思います。
そして、これが後半のあるキャラクターとイベントに繋がっていくのですが、そのキャラは結構よくできたと思うので、棚ぼたですね。

本の世界へ!
本の世界では姿も大人に

シンプルなルール、低めの難易度、テンポ重視で

ジョブチェンジとかスキルツリーとか、主人公たちのカスタマイズ要素は作りませんでした。RPG初心者を想定して作っているわけなので、カスタマイズしろと言っても悩んでしまうだろうと。
基本的には昔のドラクエのような、レベルアップと装備更新でどんどん強くなるシンプルなルールとして、ただし武器の一部と装飾品に特殊な効果を持つものを入れて、選べるようにしました。武器は全員が両手に持てるようにして、ちょっと威力は低いけど特殊なものも片手に持たせて使いやすくしたり、装飾品はゲーム進行に応じてそのときに役立ちそうなものを順番に入手できるように工夫しました。属性は意識しなくても支障ないですが、最後の仲間は各属性の攻撃技を持っており、うまく技を選べば効率的に戦えます。

炎属性を持った本

難易度は戦闘もダンジョンの構造や仕掛けも、基本的には低めになるように抑えました。オートバトルもスクリプトをがんばって実装し、ザコ戦はだいたいオートで大丈夫になっていると思います。
ダンジョンは構造を簡単にしただけでなく、誘導のためにお金を置いておくようにしました。道が見づらくても安心です。
中盤のあるダンジョンだけはちょっと難しめの仕掛けを作りましたが、選択肢を増やし過ぎないことで、仕組みを理解せずに試行錯誤するだけでもいつかは進めるようにしたつもりです。
また、ステータス画面にtodoを表示して、次にすべきことがわからなくならないようにしています。

真っ暗な通路もお金をたどれば安心
画面下部にtodoを表示

オートバトルもそうですが、ゲームがテンポよく進むようにスクリプトに手を入れています。
・オート戦闘
・文字表示高速化
・常時ダッシュ
・全滅時にゲームオーバーにしない(お金を払うとその場で復活)
・戦闘で必ず逃げられる
・戦闘高速化(アニメーションの待ちをスキップなど)
など。

テンポ改善のスクリプトを自作

エログロ、ドロドロは禁じ手

エログロ……少し古い言葉で言うと、セックス&バイオレンスでしょうか。お色気とか、登場人物の死とかですね。
ドロドロは、実は誰かと誰かは血の繋がりがあってとか、過去に事件があって実はうらみを持っていてとか、火サスっぽさというか、ドラクエで言うと7のエピソードにそういうものが多かったなというような要素ですね。
これらの要素は個人製作のゲームやお話ではわりと人気が高いと思われる要素で、僕も個人的には好きですが、今回は禁じ手としました。小学生の子どもには理解されないだろうと思ったのと、ファンタジーRPGのストーリーの基本的な面白さはもっと違う部分にあると思ったからです。
本作は敵味方とも、前向きでさっぱりしたキャラクターが多いと思います。その中でお互いが目的のために行動していく様子に共感してもらえるよう描写を積み上げ、後半は熱い展開に持っていけるようにしたつもりです。また、意外性を盛り込むことも意識しました。

決死の命乞い
意外な展開

ちなみに、エログロ、ドロドロ率高めなゲームも過去に作っています。
LEVEL 9(ふりーむ!)

固定観念を持たせない

主にキャラクターの性別についてですが、固定観念を持たせないように役割やバランスに配慮しました。パーティに入るキャラは以下のようになっています。
主人公ふたり:男(男女にしたかったが仕方ない)。魔法使いと戦士。
仲間1:若い男。回復役。子どもたちに比べ少し乱暴な口調。
仲間2:年を取った男。戦力ゼロだが、それ以外で活躍。
仲間3:若い女。剣士。お色気とは無縁。前衛タイプ。

仲間3こと剣士のカンナ、凛々しい

その他の工夫、小ネタ

ストーリーの元ネタは人魚姫

下の子どもが好きだったので。

FF5のギルガメッシュのオマージュ

「デスマちゃん」という本作のライバルキャラはファイナルファンタジー5(FF5)に登場する人気キャラ、「ギルガメッシュ」のオマージュです。デスマちゃんの助っ人として現れる「エノキド」も、ギルガメッシュの助っ人として現れる「エンキドゥ」を意識して名前を付けています。

デスマちゃんとエノキド

ダメージ計算にアルテリオス計算式を採用

本当のところわからないのですが、アルテリオス計算式がいいぜとネットで見かけたので、試しに採用してみました。以下のような式です。
 アルテリオス計算式:攻撃力ー防御力=ダメージ
攻撃力、防御力の変化によってダメージが変わりやすい、かなりピーキーな式です。この式からだいたいのイメージとして、
・攻撃力は防御力より大きくする
・HPの桁は攻撃力、防御力より1桁大きくする
という感じになります。また、パラメータ決めにはエクセルを使い、ザコ戦は1~2ターン、ボス戦は5~10ターン程度で終えられるように決めました。

エクセルで敵味方のパラメータを決定

地名は実在の地名が参考

例えば、「魔法城バハラ」は「秋葉原(あきはばら)」を参考に決めています。BHR48というキャラも出てくるので、気づかれたかもしれませんね。ほかの地名も一応元ネタがあります。

魔法の言葉「モエモエキュン!」

作ってみて結局どうだったか

よかったこと

・王道ファンタジーRPGがきちんと作れたと思います。作り始めた当初の想定以上に面白いゲームになりました。
・子どもたちには、ばっちり楽しんでもらえました。
・今のところ反応いただけているのは以前からのお知り合いばかりなんですが、やはり「友だち」ってありがたいものですね。

もうちょっとがんばりがいること

・遊ばれない。わかってはいましたが、前以上にその傾向は強まっている印象です。
・キャラ絵とかイベントスチルとかドット絵とか、見た目をもっとがんばる必要ありますよね。
・あとは、PCにゲームをダウンロードして遊ぶ人が減ってるんでしょうね。ブラウザ対応とか必要なんだろうなあ。

最後に

王道ファンタジーRPG好きのかたには刺さるゲームだと思っています。2時間程度でクリアできますので、お気軽に是非遊んでみてください!
Draventure(ふりーむ!)

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