コロナで皆んな、傷ついた
週末、パレルモの旧市街にあるシチリア州立現代アート美術館(リーゾ館)で開催された、アートイベントのオープニングにご招待いただき、FFP2マスク片手にお邪魔してきました(外はしなくて良いけど、美術館は義務継続中〜)。
再開しては規制強化を繰り返しつつ、やっと緊急事態宣言が終了して本格的な再開になってから、こういったパーティも増え、親しい人以外に"こういうところで会うくらいの間柄の人"にも、”生”で会う機会が増えてきました。
そこでは、だいたいコロナの話が交わされます。
ロックダウン中どうだったあーだった、マスクがどーだあーだ、罹った罹らなかった…などなどなど。
まあ、コロナはこの2年の世界的ビッグイベントだし、リアルタイムには会えなかった人たちだから、当然と言えば当然なのだけど。
無事でまた笑いあえてよかったね、と話す中では、あの映像の話もほぼもれなく出てきます。
あの映像とは、これのこと▼。
(と言っても、当時も直接画像を貼るのは心が痛すぎたので、この記事の中に小さくリンクしてますが。2020年3月20日の記事。当時の生々しい心情を綴ってます。)
コロナの感染拡大が爆発的に始まった頃、静まり返ったロックダウンの街の中でドキドキしながら、不安と折り合いをつける方法を必死に模索してるところに、ガーン!とさらなる打撃を与えるニュースでした。生傷にお酢を垂らすような痛さ(塩を塗り込むとはちょっと違う←どうでもいいw)。
あの頃の経験、この映像のショックで、イタリア人は「”欧米人”の割に、真面目にマスクをする人」が多いのかもしれない。と思うほど、人々の記憶に刻まれているのではないかと思います(私も、思い出しても涙が出るわー)。
普段の会話では、もはや話題には出ないけど、コロナ振り返り話をする場面では、やっぱり出てくるところを見ると、トラウマになっているかもしれないし、実際「あれはトラウマになった」という言葉もよく聞きます。
そうして…怖くて不思議な非日常が、いつの間にか日常になって、早2年。
会いたい人に会えない、行きたいところに行けない。感染するのもさせるのも怖いから(どうしたってあの映像が脳裏に浮かぶ)、仕方ないとはいえ、いろんな我慢をするのに心のどこかを麻痺させて、それでもなんとか楽しく過ごせる方法を探しながら...。
って、疲れましたよ!かなり。
コロナ中に、今までできなかったことができたり、新しいことを始めたり(納豆が作れるようになった!)。良かった面もあるけれど。
コロナのある日常は、ずーっと低周波のストレスを受け続けているようなもの。
メンタルが全体的に弱りガチになるなかで、その上、生活スタイルのネガティブ変化を受け入れなければならなくて。楽しくて希望のある変化は、ワクワクますが、真逆ですからね。ほとんど家にいたけど、疲れましたよ。
そんな状況で、人によっては意識の違いからくるイザコザに巻き込まれたり、人間関係が壊れたり、大切にしていた仕事を失ったり、夢や希望を実現させるチャンスを逃したままになってたり。なんてこともあったかもしれない。
(日本だったら、周囲の目を今まで以上に気にしたり、政府や行政の対応に不信感を抱いて、不安な気持ちが増幅した。なんて人もいるかもしれない。)
この2年、今まで通りに元気ハツラツ!だった人なんて…そんなにいないんじゃない?と思うんですけど、どうだろう。皆んな、辛かったし、皆んな、頑張ったし、皆んな、どこかで傷ついたりしたのではないのかしら。そして、今も辛いし、まだ傷ついてる人だっているかもしれない。
いやいや、大げさな!前よりやる気満々ですよ。みたいな人もいるかもしれないけど…うん、いいね。それは羨ましい限りですよ、ええ。
最近は、「なんか昔みたい♪」と嬉しく感じることが増えてきたけど、その一方で、今度は規制まみれの日常が非日常になり、非日常扱いされてた旧日常が、再び日常となって戻ってくる。その変化に追いつけるかな。…ちょーっと面倒くさいな。なんて思ってしまう自分もいます(ほら、メンタル弱ってるからw)。
谷底でやっとお花畑を完成させたのに、また山の上においでよ。と言われても、まだ山を登るのが面倒くさいのよ。山の上の方が、日当たりいいのは知ってるけど。そんな感じ。
「ワーッと活動再開できる人もいるけど、なんか無理。価値観も変わったし、今はまだ隠居モードで様子見てる感じ(意訳)」と言ってる人もいましたが、心底わかるわー。と思ってしまいました。
(…で、ここにきて戦争ですからね。「コロナより、今回の戦争の方がショック大きい」と言ってる人もいましたけど…人の感性はそれぞれよね。)
そう、いろんな人がいる。できる人もいればできない人もいる。だから、自分のペースで、できることを無理せずに、ボチボチやっていこっと…。と、改めて思った夜でした。
慌ててもどうにもできないけど、時間をかければどうにかなる。こともあるからね。
▼イベントの帰りはアペリティーボ。再開の街は、賑わってます。
ちなみに、これで本当に終わりかどうかは不明。「秋にまた新変異株ガー」などと言ってるメディアもありますがね、ま、それは今は考えないようにしておいてますよ。疲れるからw。
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