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一生懸命生きてきた軌跡。読書記録#20

オードリーの若林さんの本だよ。

『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 』, 若林正恭,  2015


 本書では、オードリーの若林さんの雑誌で連載していたエッセイ?をまとめられている。若林さんが、悩みながら一生懸命に生きていた軌跡が伝わってきて、味わい深い人生だなあと感じた。


大丈夫だよ

 「大丈夫だよ」は、私が好きな話のひとつである。これは、お金がなくて電気も止められてしまったとき、近所の知り合いのおばさんが声をかけてくれたときのお話。おばさんは、「あなたは大丈夫よ。面白いもの」と若林さんを励まし、エクレアを渡してくれたそう。そのあとの若林さんの様子を、次のように書いている。

 おばさんが帰った後、エクレアを左手で握りつぶして壁に投げつけ、ぐちゃぐちゃになったのを泣きながら食べた。
 その時、「ああ、俺は”大丈夫”って誰かに言ってほしかったんだな」ということに気付いた。

 どんな気持ちがこみあげてきたんだろう。
 何を思ってエクレアを食べたんだろう。

 つらいって泣いたのかあなあ。

 うれしいって泣いたのかなあ。

 ほっとしたのかなあ。

 大丈夫と言うことから大丈夫は始まるのだ。

 

 私がこの話が好きなのは、自分の人生と重ね合わせて共感できたからだと思う。ひとり孤独を感じたとき、ただ自分に「大丈夫」、「私なりにがんばってるね」って声をかけることで救われたことを思い出した。泣くことで救われた日もあった。
 泣けることは本当に大切なことだと思う。それは、自分の感情に正直になった瞬間だから。かなしい、つらい、つかれた、って感じたとき、泣きたいならなけばいいのだと思う。無理してポジティブになる必要はない。自分にうそをつかないことが、エネルギーが湧いてくる近道なんじゃないかな。
 若林さんの話を読んで、泣けたんだなあって、よかったなあって思った。上から目線とかじゃなくて、本当によかったって思ったの。


本書の感想

 芸人さんの生活は、私が体験したことのないものばかりなのだろう。だから、若林さんの経験も心情も、私にとって実感が湧かないものが多かった。でも、若林さんのたどりついた考え方は、不思議と共感ができた。人生必死に生きていれば、同じような答えに行き着くのかもしれないね。
 また、文章の書き方、人生の歩み方において、とても尊敬できた。文章はさすが芸人さん、さすが若林さんという感じ。ひとつひとつの話のオチのつけかた、話のもっていき方が上手で、、、もうこれは読んだら分かる。笑



文章は絶妙なおもしろさ。

生き方はゆっくり成熟されていく果実のよう。

若林さんに少しでも興味がある人は、ぜひぜひ読んでみてほしなあ!




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