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努力と謙虚さ。読書記録#17
『人間力』, 船井幸雄, 羽生善治, 2009
船井幸雄さんと羽生善治さんの対談がまとめられていました。羽生善治さんの言葉からは、将棋のプロとしての経験が感じられ、とても刺激になりました。いくつか心に残った文を書き残しておきます~。
心臓で考える
まずは、心臓(ハート)で考えることについて。羽生さんはこの概念が好きなそう。羽生さんは、対局のとき、頭で考えていると書きながらも、「ここぞというときの強さの秘訣は、やはりカンや心臓で考えることでしょう」と述べている。
将棋にかぎらず、どんな場合でも頭ではなく心臓で考えることをクセづけることで、人間の持つ余計な邪念やエゴがなくなり、無に近くなる。それで、物事の正しい判断ができるのだろうと思っています。
心臓で考える。。。この言葉を聞いたとき、「心臓」と「考える」が結びつくことに違和感を感じた。私の中にあった言葉は、心臓で「感じる」。心臓で感じると、心臓で考える。私が意味するものと、羽生さんが意味するものは違っている気がする。私は、感情を大切にするイメージ。対局のここぞというときは、感情ではなさそうとおもう。やはり、「考える」なのか。
うーん、でも、カンという言葉も使っているから、考えるというより、直観に近い感じもする。頭で考えると、心臓で考えるの考えるは、意味が違うのかもしれない。
あ、私の心臓で感じるは、心臓”を”感じるなのでは。と気づいた。心臓で考えるはやっぱり私の中になかった言葉だと思う。
「自分を裏切っていないか」を問う
次に、今の努力は長期的な結果として現れるのではないか、と述べている部分で、羽生さんの決断の考え方が語られていた。
将棋の一手一手には、常に決断の力が必要とされています。決断に際し、「自分を裏切っていないか」を常に問われると思っています。そう問われたときに、「裏切っていない」と感じられるか否かは、やはり自分がどれだけ努力をしてきたかに深く関係しているはずです。
自分自身を裏切らない努力の姿勢が、後の人生の結果として現れてくるものだと思います。
私はこの部分がとても好き。羽生さんの数々の対局の経験が、数々の決断をしてきたことが透けて見えた。「自分がどれだけ努力をしてきたかに深く関係しているはず」。羽生さんはそれだけ努力を重ねてこられたのだなあ。そして、私には想像もつかないほどの努力をしてきたのだろう。
また私は、「自分を裏切っていないか」という基準を、常に頭においておきたい。人生は選択と決断の連続である。生活していく中での選択の数は膨大なので、いちいち真剣に考えることはないけれど、立ち止まって決断するときには「自分を裏切っていないか」を、自分に問いたいと思う。
最後に
本書の羽生さんの言葉は、並々ならぬ対局経験を感じさせられ、その言葉の重さと深みに圧倒された。でもその裏には、ひたすら努力できる真面目さと謙虚さがあった。全体的に、「~ではないでしょうか」と語っている部分が多く、柔らかさも感じた。
羽生さんを一言で表すなら、努力の人だと思う。文章から伝わるのは圧倒的な努力。努力の大切さを体現している人だと思った。
本書を通じて羽生さんにとても興味が湧いた。私は将棋についても、羽生さんについても、ほとんど知識がないので、これからもっと知っていきたいなあと思う。
私も将来こんな風に、言葉に重みがある人になりたいなあ。
羽生さんの努力する姿勢を取り入れていこう~。
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