ゴキブリとの戦いに終止符を。 読書記録#19
ゴキブリと戦うってナンセンスなんだなって悟った。
ゴキブリを排除するなんて人類のなせる業じゃないわ。。。
『家は生態系―あなたは20万種の生き物と暮らしている』, ロブ・ダン, 2021
ゴキブリを見ると、めちゃくちゃ心がぞわぞわする。
うわあああってなる。
そんな風に感じちゃう人間は、化学兵器によってゴキブリと戦ってきた。でもね、著者はそんな私たちにこんな言葉を投げかける。
化学戦に打って出た場合、互角の戦いはまずできない。
こちらが新たな化学物質で攻撃するたびに、昆虫は自然選択による進化で応戦してくる。
ええ、私たちの負け確定なの。。。
また著者は、化学兵器を強化すればするほど、進化のスピードも速くなると述べる。ゴキブリの進化すごすぎ。。。
さらにショックな事実が。。。
ときには、従来の殺虫剤への抵抗性が、新たな殺虫剤への抵抗性を与えてしまうこともあった。
そのようなケースでは、戦いは始まる前にすでに終わっていた。
戦う前に終わってるって。。。(;´・ω・)
いったん進化するや、抵抗性をもつゴキブリの系統が生息域を広げ、その殺虫剤が使われ続けている限り、どんどん繁殖してしまう。
もうわかったって。。。(..)
ゴキブリの進化について、まだまだ続くよ。もうゴキブリのすごさは分かったんだけどなって思ったけど。
糖への忌避反応を備えて生まれてくるゴキブリもいるらしい。
ベイト剤という、ゴキブリが好きな糖類が入った小さな餌に、殺虫剤を配合したものが結構使われているみたいなのだけれど、ベイト剤では死ななかったゴキブリが発見されたらしい。
このゴキブリは先天的にグルコース(糖)を避けているのか、後天的に身に付けたものなのか。著者は調査結果について以下のように述べている。
子や孫の世代でグルコースにおびき寄せられるか否かをテストしたところ、おびき寄せられなかった。
ゴキブリは学習したのではなく、グルコースに対する先天的な忌避反応を身につけて生まれてきたのである。
どうやら先天的なものらしい。しかも、世界各地で糖への忌避反応を備えて進化しているとも述べられていた。
グルコース忌避性を、それぞれの地域ごとに独立して進化させていた
あらまあ。生物ってすごいわあ。
ゴキブリも生きるのに必死なのね。
生命を排除しようとすることを考えさせられました。
ゴキブリを見たときの、ぞわぞわ感は、本能なのか、文化によってつくられた反応なのか。両方あるんだろけど。ゴキブリに遭遇した時に、もう少し穏やかな心で向き合いたいと思った。
ゴキブリを排除するなんて不毛なんだもの。一匹殺したところで、自分の家に大量のゴキブリがいる事実は変わらない。ただひとつの生命を殺めただけ。この選択を私はしたくないなあ。
ゴキブリに遭遇したら、
ゴキブリを排除しようとするんじゃなくて、自分の家をきれいにしよう。
ゴキブリさんたちが住みたくない環境に。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?