礼拝堂の一夜

暗闇峠に一ツ目の鳥
飛ぶ丑の刻、八裂き
欲棒、獰猛の飛行
狂気、たちまち
光を放ち、骸と化して
死を滅する!
手を合わせ、祷る
男女は寝室で交わる
地下深く、火の湧く
礼拝堂の頭蓋骨
黒羊の角、偶像の神
倖と災いが交差する庭園
シスターの首に縄の跡
月を横切る蝙蝠の羽
今しがた
暗渠から生まれた
子蛇が無声を轟かせ
生まれた悲劇を歌ってる
祝いの宴は絵本の挿絵
神話の素描を垣間見る
事を終えた男と女は
枕の下で虚ろを囁く
寝室は暗く、窓辺は白く
遠退く月と星は瞬く
神父は自室にて
麻縄を片付け
夜明けを待つのは
誰でもない
聖母を形を象った
石の像の微笑みだけ

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