美しい死体

透明な氷柱が胸につきささり
どくどくと血があふれて止まらない
熱い熱い血が氷柱を溶かして
水が流れてぼくの体を赤い血と
透明な水がとめどなく
つたう、とおり、ながれ、あふれ
こぼれていく、よどみなく
触れて壊れてやがて消えて
失くなるまで、このまま
美しい死体を選び蝿はたかり
卵を産み付けるらしいぼくは
こんなに汚いのに、皆がぼくを
視る(な)、撮る(な)、喋る(な)!
喧騒……けたたましく鳴るサイレン
誰もが目を背ける(な!)
この美しい世界で汚いぼくがここにいる

#詩 #自由詩 #現代詩 #ポエム #note文芸部 #100日詩チャレンジ #42日目

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