見出し画像

背景:モータープール in 西洲

蠢くノイズは雨音のよう
火花の瞬きみたいに伸びては
細く、鋭くなって
鼓膜の外側にスパークする
血流の動き
蠢きが、ダイブする秋の日

「えー、やーが送るって言ったんだろ」
「は? だからそれはイナミーになったやっし。俺が送るのは徳村とまなみー、どや」
「じゃあ、俺は誰に頼めばいいば?」
「しらんよや」
「はあ、もう飲んでるけど」

ノイズキャンセラー
は、ない
モータープールの隅っこで、

「とりあえず、俺、飲み物買ってくるわ」
秀樹は「うん」でも「はあ」でもない、「あー」みたいな声で低くうめいて、俺がその横を通り過ぎる

透明な扉は、いつでも、誰でも、迎え入れてくれる

#ポエトリー・ナイトフライト #詩 #自由詩 #現代詩 #ポエム #note文芸部 #100日詩チャレンジ #83日目

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?