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電閃

空白に叩きつけられる色香は水溶性
美しく撫でつけられたままそこに在る
実存主義を謳う選挙ポスター
未来のアイコン、ヘッダーは拾い画
淡彩に応じるがまま海は埋めつくされて
ここは○✖️ゲームの盤上の街
磨りガラス越しに細くて冷たい
目が、私を見てる(笑っていることだけわかる)
光は骨を──(透過して
そのまま柔らかく撓む)
垂直方向に薄く、弾性に富む──身体は、
(熱を。)浮かして、沈んでしまうだろうけど
「愛せよ」
薄く軽やかな痛みの重なりがあなただから
夢の中で足を浸したピンク色の海
その透明度に解けながら泳ぐ魚たちは
鼻も目も口も持たずに生命式と躍る
湧き立つ炎節、陽炎と烟る女の
平面状の笑み、その胸の膨らみ
髪のもつれを指と指とで梳けば
揺れる睫毛が私の心を引き裂く
春の雨を浴びてそのまま
時間が止まったレインブーツは@
その言葉の裏に連なる不可逆な問
触れると冷たい、ということだけ
恐ろしく静かな振動として伝わる
名前のない花が、真っ白な花が
一面に広がる夢みたいな、夢の
景色の中に佇む少女が囚われた
燦々たる夏の監獄、悠遠の土地
白昼夢の潤いは絵筆によるもの
輪郭線を持たない感情は揮発性
壊れた時計の文字盤に新しい卵を産み付けて
悪意は青白く化膿し、蝕み続ける
告訴した私が主張し続ける無実で
悲しむ人たちがいることも事実だ
drawing 黒く汚れた青春の最果てに
painting 手を振るあなたを飲込む光
一つの物語を語る上で
語り手は常に孤独でなくてはならない
誰の声も聞くな、風と凪の境界に立って
狭間と狭間の狭間で目を閉じれば
上下左右の感覚を失えるから、ほら
握りしめた貝殻の内側から這って出てくる
それを感じられるでしょう?
美味しい毒を閉じ込めた部屋
鍵穴から覗き込んだあなたの真っ赤な瞳
いつかのシー・チェンジ
それは反転した重力が手を引くように
ひるがえる水面に映った透明人間
火花散らす閃光が闇を蹴散らして
ベビーからレディーまでのカラーへ
誘うように開花する花(だから、
ここは明るいだけで静かです)。
うん──うるさいよりはマシだけど
外は快晴なのに雷がずっと鳴っていて
私の頭上にも落ちる)かわりに)))))もうすぐ落ちる)あなただけ))))))だなんて)
【404 not found】
目を開けて、鋭く曲がった光の終わりが
見えるまで、やわらかく差し込むリアル
額縁に入れられたたくさんの絵画は
どれもこれも重たい布を被せられて
永遠に美しいまま、この暗室で少しずつ
呼吸の仕方を忘れてしまう
焼魚の骨を取るみたいに
散りばめられた嘘を片付けるため
絵筆を何度も湿らせて、振るう
捕まえてきた野鳥を闇雲に燃やして
火の鳥を作る狂った妄想は幻聴を伴い
薄ら笑いを引き連れても残るのはいつも
同じ結末(──それは骨灰の彼方に)
今際の際の景色さえ今は憧憬、鮮やかな
drawing 黒く汚れた青春の最果てに
painting 手を振るあなたを飲込む光!

#詩 #自由詩 #現代詩 #ポエム #100日詩チャレンジ #note文芸部 #20日目

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