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ぼくのせい

日々、殺されたり
死んだりしている
街に朝が来て、
朝が来るから目が覚めて
目覚めた僕の制服が
白く光を反射する
嘘偽りない生活は
滞りない嘘の集合体で
真実を見極める目も
心も、退屈に圧され
潰されている、います
ここには、まるで
手のひらサイズの
小さな、いや
やっぱ、なんでもないです

今日も電車が遅延して
SNSではそのことばかり
うるさく、ひしめいて
誰かの作った言葉でも
まるで、自然発生したかのように
誰かの顔を真似ながら
いない誰かを傷つけて
傷つけ多分だけ輝いて
それが目に見えて、嫌
それだけは言える
それだけは

ちくちく言葉とふわふわ言葉
言っていいこと悪いこと
本音と建前、オブラート
綺麗な水と汚い水の
光の屈折に宿るいくつもの言の葉
紡がれながら積み重なり
春になる、花弁が降る
プラットホームに立つ
僕、一人が影になり
光を帯びて、尖る
一筋のつぶ立ったナイフになる
飛び立つように
下りる、軋轢
まただ。
心地よいほど
心地の悪いブレーキの音
擦り切れるような、沈黙に
痛みはまだない、そのまま
意識が遠のけばいい
空は、こんなにも高く
風はいつのまにか冷たい

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