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Sneety Rabbit

夜な夜な狂う準備をしてる
月が、星を喰うように
眼を開け、脳を働かし
指を滑らせ、命を削る
詩を書く
お前らが眠りについている時間にも
酒に酔って泣いているときにも
彼氏とセックスしてるときにも
ゲームの周回をしている今まさに
俺は欠伸を噛み殺しながら
翌朝の仕事のことを忘れて
言葉を紡ぐように優しく
自分自身を呪う
文字が、肉体に吸い付いて
離れない夜更けに
殺ス、死ヌ、狂ウ
物騒な言葉が
咲き乱れる骨の奥
止めどなく溢れ
淀みなく流れ続ける
血の川に逆らって泳ぐ
一匹の魚になって
もがき苦しみながら
少しずつ前へ進んでいたい
睡眠時間を削って
精神をすり減らし
端金で古本を漁る
金と友だちは多いに越したことはないが
だからといって、そればかりでもいられない
ネガとポジのブランコを漕いで
肯定と否定と手を繋ぎ
笑う、ことが必ずしも幸福には繋がらない
そう言い聞かせてここまでやって来た
朝焼け、洗われた光が
絡まってほどけるカーテンの隙間を
濡らして、渇く戯言が今
細くて薄い煙となって
俺の鼻や口から放出される
怠惰で愚鈍な青二歳の
詩が、今、お前の中で孵るとき
俺は!
誰かの夢のなかで眠ろう

#詩 #自由詩 #現代詩 #ポエム #note文芸部 #100日詩チャレンジ #63日目  

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