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78歳 #08 骨髄異形成症候群・偏食

人生の中で、最もお好み焼きを食べた年

食欲がない日、吐き気のある日は頻繁にあった。
ある日「白いご飯と味噌汁を食べたくない」ムーブが起きた。
「ごはん何食べたい?」と聞いても、なかなか決まらず、時間だけが過ぎていく。
なんとか希望を聞き出して、昼食が食べれたら今日の一つ目の仕事が終わった...そして夕方になり、夕食のメニューが決まったら、今日の最後の仕事が終わった...という感じで、私の頭の中は、ご飯のことでいっぱいになっていた。

食べたいものがあっさり決まる日もあれば、聞き出すのにギリギリまで粘ることもあったので、買い物に行き、材料を切る時間もなくなり、テイクアウトのお好み焼きや巻寿司などが多くなった。

量的にはたくさん食べれないので、1人前を半分ずつ食べた。
私は食にあまりこだわりがないので、母が食べられる物を優先した。
半分こして食べたお好み焼きは、美味しかった。

食欲不振と情緒不安定

家で何か作った日は、白いご飯を2口とおかずを少し。
味噌汁や汁物は、お腹がふくれすぎてダメらしい。
果物やプリンは好きなのでいつでも食べれた。
パスタのような麺類は完食できる。
本人も「何が食べたいのかわからない!」という不満を感じていた。
ご飯のことで喧嘩になることもあった。
無理やり食べさせることはしなかったけど、
「これ食べる?少しだけでも...」と言うとブチ切れる。

機嫌の良い時と悪い時があって、いつスイッチが入るか予測がつかない。
嫌がられながらも同居を続けていたが、施設だったらただのワガママで片付けられてしまうのだろう。

衰弱して転倒しても、誰も責任を負わないと思う。
あるいは、施設ならワガママを言わずにしぶしぶ従っていたのかもしれないが、私の「我」のせいで、他人様に託したくなかったので、今となってはわからない。

偏食

偏食といっても、歯が悪いのか、胃が悪いのか、薬の副作用なのか、心理的なものか、いろいろな原因がある。
今思えば、全部思い当たる。
仮に、栄養士さんに相談しても、野菜をよく食べ、果物を控え、緑黄色野菜を○○g、炭水化物を○○g、と、教科書に沿った回答しかしないと思う。
仕事でやっている人は、マニュアル通りにするだろう。
最終的な手段は「食べれるものだけ食べる」。
正解がわからないまま、ご飯タイムをどうにか乗り切っていたが、少しでも食べてくれるだけで、生きてくれるだけで、私は嬉しいと思っていた。

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