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78歳 #09 骨髄異形成症候群・骨折

早朝の転倒

母は、朝4〜5時にトイレに起きて、また寝るのがルーティンだった。
朝方「ドン!」という音で目が覚めたら、母が床の上に倒れていた。
立ち上がって、ベッドに手をつこうとしたら、ベッドに手が当たらず、そのまま倒れたらしい。
本人も突然のことで何が起きたかわからず呆然としていたが、頭は打ってないようだった。

朝食を食べれて喜んでいたのに

いつもは右手でお箸を持って普通に食べるが、手が痛いというので、左手でスプーンを使って食べた。

時間とともに、内出血で手首からひじまで紫になってきた。
これはもしかして...と整形外科に行くと手首骨折だった。

ガラス天板の籐テーブル(母の趣味で買った)がベッド近くにあるのだが、倒れる方向が悪ければ、ガラスで手を切っていたかもしれない。
血小板が減る病気を抱えているので、切り傷は致命的。

「小さな怪我でもすぐ病院へ」と言われていたのだけど、血小板が少ない場合、どうやって止血するのか不安だった。
シクロスポリンで血小板が正常値までやっと上がって来たが、吐き気で1ヶ月間休薬しているので、どうしてこんな時に骨折なんて。

箸が使えないことで食事のメニューが限られる

魚や炒め物等、箸で食べにくいものはイライラするので麺類をよく食べた。
肉うどんをステンレスのフォークで食べたら熱かったので、プラスチックのフォークを買って来た。
熱くはないけど、うどんがツルツルすべって、これまた食べにくい。
右利きで左手はほとんど鍛えてこなかったので、手がうまく使えずイライラし、投げやりになることがあった。

入浴介助

家族は介護できて当たり前と言う人がいるが、初めてはなんでも怖い。
シャワーを浴びることになり、介助をした。

シーネで固定した腕を、肩からベルトで吊ってある。
大きなビニール袋を腕にかぶせて、腕にテープでがっちり固定した。
服を脱ぐ以外、本人は片手なので、何もできない。
「水に強い」と書いてあるテープ、シャワーであっさり剥がれてしまう。
ビニール袋に水は入るし、目に泡が入ってしまい怒られるし、私も全身ビッショリ濡れて、二人とも疲労した。
「ちょ、目に泡入った!」「腕が痛い」「寒い」「暑い」と本人が意思表示できたのがせめてもの救いだ。

病院は何も教えてくれないので、自力で防水対策を考えた。
手首から肘までシーネがついているので、上腕にタオルを巻きつけてヘアゴムで止める。
腕に45Lペール用のビニール袋をかぶせ、ビニールの端をタオルの隙間に押し込む。
これだと、水があまり入ってこない。

シャンプーハットを提案してみたら嫌がるかなと思ったら、意外とすんなり受け入れてくれた。
サイズ調整できるボタン付きのシャンプーハットは、亡くなるちょっと前まで活躍した。

シーネ生活は6週間続いた。週1〜2回整形外科に通い、包帯を巻き直してもい、その後は週に3回リハビリに通った。
タクシー乗って、ほとんど歩かないんだけど、家から出るだけで消耗してしまって、リハビリは長く続かなかった。
おかげで骨が変な形で固まってしまったのか、腕の痛さは最後まで残った。
手術が必要なレベルの骨折でなかったのが幸いだった。


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