第29回開示請求 「医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)」への対応・検討

2020年12月15日の吉村知事の囲み会見で、このようなやりとりがありました。

記者:厚労省は11月後半に定期的な全件検査を推奨するような通知を出していると思うが、ハードルは施設数、職員数? 厚労省が非現実的かもしれないが、そういう通知を出していることに対してどうか?
吉村:国からの方向性は確認しているが、症状が少しでもあれば検査というのが、国から自治体に向けた発信。それ以外で症状もないのに全件検査するように言われている認識は僕にはない。

記者:11/16付の通知で、クラスター拡大地域では……
吉村: それは知っている。クラスターが拡大している地域、エリアでは検査を積極的にやるべき。それは先ほど言ったように、もし1人でも陽性者が出れば検査というのはやっている。でも、クラスター拡大地域で無作為に全部の検査をやっていくべきだという意味ではないと思っている。通知があるのはわかっている。

記者: 意味合いとしては、クラスターが発生した施設でしっかりやるととらえている?
吉村: 施設だけでなく、地域は厚労省も定義していない。それでは「クラスターが発生している地域」は何かというと、大阪では全域的にクラスターが発生しているので、大阪では全域なのかというと、先ほど言ったように現実的でない。国も府全域で検査せよという通知ではないので、通知の「クラスターが発生した地域」というのはふわっとしたもの。
我々としては、施設だけではなく、クラスターが発生した施設の人がほかのデイサービスで動いていたらそこも徹底的に検査していこうと。そういった意味での地域のとらえ方をしている。
市町村で地域を区切るのは現実問題できない。皆さん取材して分かると思うが。
施設をがっと抑える。施設関係者が出入りしているところをがっと抑える。そこを地域という捉え方をして抑えている。
厚労省の通知の「地域はやるべし」というのは、定義もないし不明確。我々も特定の地域で発生している認識はない。散発しているので。実態にそぐわない通知。我々の感覚からしたら、施設やサービスを利用している状況を考えて検査することはあり得る。

質疑に出てくる「11/16付の通知」はこれです。

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この通知に対して記者と知事の間で解釈にズレがあるように感じましたし、知事が厚労省の通知を「実態にそぐわない」「通知の定義が不明確」と言っているのであれば府内でどう議論したのか、そして解釈の仕方を厚労省に問い合わせたのか。
これらが気になったので、請求をかけていました(同じ内容で大阪市も)。

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健康医療部と福祉部から、それぞれの部局で保有する文書を開示いただきました(文書の重複を含む)。
開示いただいた文書を、こちらにまとめて公開しましたが、何かアクションがとられた形跡はなく、強いて言うなら、下記のリーフレットを健康医療部から保健所に案内したぐらいでした。
知事が、「通知が実態にそぐわない」「通知の定義が不明確」等の発言をしていましたが、厚労省にその内容を確認も行っていないようです(やっていれば文書があるはずですから)。

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なお、大阪市は不存在でした。

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