第17回開示請求 知事・市長の公用メール使用状況は、いかに?
何度か大阪府・大阪市に「○○についてのやりとり」と請求をかけても、知事メールも市長メールも一向に出てこないので、だんだんと気になっていたことがありました。
この人たち、公用メールを使ってる?
そして、請求をかけました(府への請求を載せてますが、市へも同じ内容で請求しました)。
※注記 内容にもよりますが、メールは公文書に当たります。詳しくお知りになりたい方は、大阪府の該当ページ 大阪市の該当ページ をご参照ください。他の自治体については、未確認ですので「自治体名 メール 公文書」あたりのキーワードで検索ください。
そして結果は、不存在。
(市は、存在しないことを電話で教えてもらい取り下げたので、通知はありません)
「これは、枚数や件数が分かる資料がないのか、メールを使っていないのか、どっちなのだろう?」という疑問も抱きましたので、せっかくなので、府市の担当の方にいろいろ教えていただきました。
市長メールについて
市長の公用メールは、市長室のデスクトップPCでしか送受信できない仕様で不便ため、一切使っていない(←え、今どきスマホやノートPCに転送できないの!?)
市の職員と職員とのやり取りは、遠隔の場合、電話とLINE WORKSで行われている
市長メールは市民情報プラザで全部観閲可能になっているのに対して、LINE WORKSでのやりとりは、全文公開の対象でない
しかし、「○○に関するやりとり」のような請求で対象となれば、LINE WORKSのやりとりも公開される
私用メールでやりとりをした場合でも、業務指示・命令に該当するものと担当部門が判断すれば、公用メールの公開基準と同様に、公開対象になる
LINE WORKSが導入されたのは、吉村市長時代
知事メールについて
知事の公用メールは一切使っていない
府の職員への指示については、基本的に、あらかじめ時間をとって口頭で指示をしている
緊急時には、LINE WORKSや私用メアドを使うこともある
それらを介して行われたやりとりであっても、行政の指示や意思決定に関するものであれば情報公開の対象になる
考察および私見
私が、公用メールにこだわって担当の方へ話を聞いたことには、冒頭に述べたように「気になった」以外にも理由があります。
それは、まずひとつめに、吉村知事が市長時代に公務で私用メールを使用したことについて、昨年問題視されたばかりだったこと(下記記事参照)。
そして、もうひとつは、本来、公用メールには管理方法が定められているからです。
<知事メールについて>
10年ほど前に行われた「施策プロセスの見える化」の一環の「知事メールの公開」で、「知事と副知事、部局長で組織共有しているメール(いわゆる「知事メール」)については、特に府民の関心が高いことから、保管のルールを明確にしました。」とされていたのに、蔑ろになっています。
<市長メールについて>
市長メールは本来、市民情報プラザで観閲可能となってます。
この記事でも、大阪市「市民情報プラザ」で、市長メールがファイリングされ公開されている様子が確認できます。
しかしながら、このように立派なルールがあったとしても、公用メールを使用していなければ、首長と職員とのやりとりを確認できません。
公用メールを使用していないことで、公開の原則が形骸化しています。
まとめ
議員の皆さんや、お役所の方々には、ぜひ役所の透明化をはかり、形骸化してしまっている公開の原則を取り戻すためにも、今後メール以外のやりとりの見える化に取り組んでいただきたいところです。
でもまず我々ができることとしては、とりあえず、公用メールは一切使用していないようですので、
開示請求で首長たちのやりとりの経緯についての情報を得たい場合には「メールのやりとりも含む」と書くのではなく「LINE WORKS、私用メールを含む」「やりとりの手段は問わない」と併記することですね。