見出し画像

エッセイを書きたくて、エッセイ読みにハマる。

 今回の創作大賞2024を知り、書き始めて思い出したことがある。
それは以前、「さくらもももこ先生のような長く愛される文章を書ける物書きになりたい!」という夢を持っていたことだった。

「ならば、まず書く前に読んでみよう!」という話に落ち着き、まだそういえばちゃんとさくらももこ先生の本を読んでいなかったし、買ってもいなかった・・・と反省したのだった。
 久々に本を買いに近くの古本屋へ行き(我が家から一番近い本屋が古本屋であるため)、『ももこの世界あっちこっちめぐり』を購入した。
どんな世界旅行が書いてあるのか楽しみで仕方がない。ウキウキしながら帰ってきた。

 『ももこの世界あっちこっちめぐり』では、ももこ先生が一枚の絵を気に入って、その画家さん宅にまで訪問する一面や、父ヒロシの夢を叶えてあげる親孝行な一面があったり、またオランダでは安楽死について地元の方に意見を聞く一面があったりと一冊の本で色々な考え方を教えられた。
 私は以前、ウツが原因で閉鎖的な環境にいたことがあり、さらにその後、結婚やコロナ禍でますます行動範囲が狭くなってしまったせいか、次第に心まで狭くなっていたクセがついていたことに気付かされた。この本で世界の広さに刺激されたのだ。
 またこの本を読んで、「世界は広いのだ。まだまだ私、やりたい事、いっぱいあるかも。」と忘れかけていた“希望”を取り戻した気がしたのだった。

 読書が楽しくなってしまった私は、次に、まとめて3冊くらい買おうと決めた。
 あまり多くても迷ってしまうので吟味して3冊。「どうせなら自己投資額も決めよう。1500円以内はどうだろう?しかも前回は現金払いだったけれど、今度はPayPay払いにしてポイントもしっかり付ける!」と意気込んだ。

 古本屋へ行って、何を買おうか選ぶのって楽しい。あえてネットで調べずに直接お店に行き、本棚に並んでいる本の情報だけで判断する。
 表紙で選ぶか、タイトルで選ぶか。はたまたちょっと中身を拝見させていただいてそのフィーリングで選ぶか。。。
 でも、今回はただ「楽しそう」だけで選んではいけないのだ。「勉強になりそう」という視点も考慮して厳選しなくては!

 本に出会えるまで、ドキドキとワクワクが。
 どんなストーリーに出会えるのか?どんなお話が待っているのか・・・?
さて、その3冊はいかに!?

 古本屋に行く途中、そういえば気づいたことがある。
 それは、予算1500円ということは税抜にして1350円までの本までしか買えないという事実に!
 古本屋でもそう安くはない時代に果たして気に入った本3冊が予定どおり買えるのか、少し不安になった・・・。

 古本屋へ到着して、本棚を見ると「さくらももこ」の欄があった。
 レコードやCDなどは「ジャケ買い」なんていうのもあるが、本も人によっては表紙のデザインで買って行くことがあると聞いたことがある。
 先日、私は中古レコード店へ行ってレコードをジャケ買いしたら、これが当たりで嬉しかった。JAZZのコーナーでラリー・コリエルというギターの方の『トリビュータリーズ』というモノ。すごく格好良かった!
 ・・・ただ、お店に置いてあった時に、店員さんのコメントのメモがついていて「至極の一品」とも書かれていたのを参考にさせていただいてはいたのだけれど。

 それに比べ、本の場合はタイトルや表紙裏に書かれている解説などを参考にして買うことが多い。私は人よりも活字を追うのがちょっと好きなんだろうか?それは良いことだ。と今更ながら妙な納得をする私。さて、どんな本が買えるかな?

 古本屋には、さくらももこ先生のコーナーがあって。
 私はまず『もものかんづめ』を手に取った。これは当時すごく有名になっていたなぁと記憶にあり、絶対読んでおきたいと思ったので、買いを決めた。
 そしてこれがももこ先生の初の単行本と思っていたら、なんと違うとこを知り、『ももこのいきもの図鑑』という本が最初だというのがわかったので、それも購入することにした。

 これで購入する2冊が決定した。残るは一冊。
 私も日記を書いているので、気になったのがももこ先生の日記関係の本が買いたいなと思った。ここで迷ったのが2冊あったのだが、予算内で買える薄い本の方を買うことにした。私はつい、自己投資をし過ぎる傾向にあるので、あえて今回は予算内に留めるということに徹してみた。そして、もし時間とお金に余裕ができた時に、もう一冊の分厚くて高い新しい本を買いに来ようと決めたのだった。

 購入した本は『ももこの21世紀日記 N‘03』。N‘01から続いている本らしく、古本屋にはこれしかなかったので書き慣れて来たであろう頃の話になるのかもしれないという期待を持ちつつ、最初に読んでみることにした。

 薄い本『ももこの21世紀日記 N‘03』は、結論、買って良かったと思った。
 日々の出来事が濃縮されて描かれている絵と文章がオールカラーで載っていて。読んでいてとても楽しかった。「私もこういった普通の日常の中で、心のヒダを広げて物事を観察したら良いのかな」と思った。そして「本当に楽しいと思うことを書いてみたら面白いのかもしれない」とも感じた。また、ももこ先生の交友関係の広さにも驚いた。

 それから『ももこのいきもの図鑑』を読み始め、短い文章で読みやすくて生き物が大好きなんだなぁというのがわかった。
 生き物の話をずっと読み続けているのも少し飽きてきてしまったので、途中で『もものかんづめ』を読み始めた。こちらも短編になっていて読みやすい。この、本を交互に読むのも面白いと感じた。

 さくらももこ先生は観察する力が長けているというか、追求するのが好きな方なんだなぁと本を読んで感じた。こうであるから、長年愛される漫画や本がかけるのだろうなぁとも思った。

 『ももこのいきもの図鑑』では、400字詰め原稿用紙2枚半余りの内容にまとめなくてはいけない話になっていたようで、中には思い出深い生き物の時には書く内容を本当に凝縮や圧縮をかけて削りに削りをかけたと思う。いつも同じくらいの文章量を書く技量というのも作家さんには問われるんだなぁと知った。

 『もものかんづめ』ではいろんなエッセイが詰まっていて、面白かった。なんでこんなに面白い事をいろいろ書けてしまうのでしょう。本当に素晴らしいなぁ。

 ということで、1500円以内で買った3冊の本は一週間の内に読み終えてしまった。
楽しい時間を与えてくださり、さくらももこ先生には感謝しかない。とても心が豊かになった気がする。
そして書く意欲を与えてくださった創作大賞2024にも感謝だ。
そんなこんなでエッセイ読みにハマってしまった私は、また次のももこ先生の本を買いに古本屋へ出かけるのだった・・・。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?