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定期試験問題におけるちょっとした工夫②(2019年6月16日)

 前回から3週もお休みさせていただきました。記事の続きを楽しみにしていた方、申し訳ありませんでした。今回はその前回の記事の続きになりますので、まだご覧になっていない方は以下からどうぞ。

 さて、先の定期考査で扱ったのは『古今著聞集』の説話で、「小式部内侍が大江山の歌の事」でした。 
 応用・発展的な記述問題の作成のために、古典指導で重宝している「ビギナーズ・クラシックスシリーズ日本の古典」(角川ソフィア文庫)の『今昔物語集』を使用しました。ここから説話を三題選び、「小式部内侍」の説話との共通点を指摘してそれについての自分の考えを述べなさいとしました。
 その三題の説話とは、「紫式部の父、絶妙の詩によって念願の国守となる」(巻二四-三〇)と「全裸になって追いはぎを笑わせ、危機を逃れた役人」(巻二八-一六)と「変装した自分の妻に言い寄り、なぐられた軽薄男」(巻二八-一)です。

 この記述問題では、必ずしも他の古典常識や文法、現代語訳で成績の良かった生徒が高得点というわけでなく、本問の満点答案を「模範解答」として解答解説時に示すと、生徒たちの反応もよく(おもしろい、なるほどそういう考え方もあるのかといった反応です)、また、名前は伏せて紹介していても、評価された生徒はとても嬉しそうです。

 次回はどのように採点したかということについて、今回例にあげた問題で紹介したいと思います(みなさんもぜひ、どのような共通点が、どのような考えを軸にして見いだせるか考えてみてください)。


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