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触手の話

夜はこれからだ!
名台詞ですよね。CAPCONの格闘ゲーム『バンパイア』シリーズのデミトリのセリフですが、夜を楽しむ皆さま、楽しんでますか?
今日は私の夜を楽しませてくれたゲームのお話をさせていただきます。

私、幼い頃に『ウルトラマンG』と『エイリアン』に出会い人生が変わったと思っています。『ウルトラマンG』ではゴードンという敵の怪獣がおりまして、ヒロインを取り込み精神支配をするという描写があります。ヒーローであるウルトラマンGを大変苦しめるんです。ゴードンは芋虫みたいな姿で長い触手で攻撃します。このゴードンにヒロインが取り込まれて精神支配をうけるシーン、幼少の私に性的な目覚めをもたらしてくれました。幼い私に今まで見てきたどんな怪獣とも違った胸の高鳴りと、身体的危機感、精神的嫌悪、そして内臓のねっとりした疼きをもたらしたことを今でも鮮明に思い出すことができます。頭の中はゴードンで、ゴードンに精神的に支配されることにいっぱいになりました。

それから数年後『エイリアン3』が公開されました。エイリアンの造形美も大変セクシュアルで様々な感情を呼び起こすのですが、正確にはエイリアンからギーガーという天才を知り、画集『ネクロノミコン2』より「エロトメカニクス」を見た事によって私の性癖の一つに「触手」が加わったのです。金属的チューブに繋がれた女性の身体、その青白く柔らかな肉体を包む滑らかな金属とチューブ。性的魅力に溢れたこの美術作品はまさしく唯一無二のエロスとタナトスを私の脳裏に焼き付けたのです。

それからまた数年、私はこの秘密の疼きが何かを理解しないままローティーンになっておりました。多感な時期にこの秘密の疼きが何であるかを決定的に理解するきっかけになったのが、『魔法少女アイ』というエロゲです。
兄の部屋に隠してあったエロゲを紹介するエロゲ専門雑誌、読者を煽る様々な言葉と無数のあられも無い姿の美少女CGの中で、果敢にも魔獣に立ち向かい、あっけなく囚われては身体を触手に絡めとられてしまう魔法少女アイに私は魅了されていました。頭の中でパズルのピースがハマったかのように「これだ!」と、それまでバラバラであった私の心と身体がパチリと合致した気持ちになりました。
この日から、私の夜のお楽しみは触手になったと言って良いでしょう。
ここまで読まれて「ウンウン、わかるー」と思われた方がいらっしゃったら幸いです。


でもね、私は女なんですよ。
昨今、何でもキモイ、キモイと嫌うキャンセルカルチャーがあるじゃないですか。
私の趣味は確かにキモいものですよ。女の子が触手にぐるぐる巻きにされたり何なりして苦痛に喘ぐ姿で滾る私は気持ちのいいもでは無いでしょう。
実際に今までお付き合いさせていただいた男性にこの趣味を暴露したことはありませんし、実際に自分が触手にぐるぐる巻きにされたいか?と聞かれたら限りなくノーです。第三者目線で見て楽しんでいるのであって、当事者では無いのです。また、男性を触手に絡ませたい欲望も特に無いのです。たいして倒錯も逸脱もしていない行為の方が好きです。フィクションだから楽しめているのであって、マッドサイエンティストになってバイオの力で触手を生み出したいとも思ったことはありません。実際に女性が苦痛に喘ぐすがたを見たら、怖くて目を背けてしまうだろうと思います。

もちろん、気持ちわるい趣味です。ですが、犯罪でもなければ犯罪者予備軍みたいな扱いを受ける必要もないと思っています。
私の楽しみ、気持ちわるいけど普通なんです。
これは男性にも同じように思います。変わった性癖、趣味、そんなことで何か不当な扱いを受ける所以はありません。たとえそれが現実では叶わない願いだったとしても、妄想することは罪では無いのです。そして、妄想を他者と共有しようとそれは犯罪ではありません。
私は恋人と魔法少女アイを見ながらセックス出来る社会を望みます。触手好きな恋人が欲しいわけじゃ無いですよ。そういう秘密の楽しみを恋人にまで秘密にしておかなければ品位に関わるような社会が嫌っていうだけです。恋人の好きな妄想を私も知りたいと思うし、お互いがそれを楽しめたら素敵だなっていうだけです。
もちろん、それを気持ちが悪いと思うこともあるでしょう。
だからって社会的制裁を受ける所以は無いと思うのです。
魔法少女アイ最高です。
フェミニストの女性にはぜひ、私の性癖を守っていただきたい所存です❤︎

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