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妊娠ストールのSDGs

アメリカのマクドナルドが、カール・アイカーン氏という大物の「物言う株主」(株式を保有して経営者に様々な要求をするアクティビスト)から、「マクドナルド利用している豚肉の生産方法に問題がある」と厳しい指摘を受けています。

問題となっているのは養豚場で妊娠している母豚を一頭ずつ隔離して飼育する「妊娠ストール」というケージの利用です。

妊娠ストールは非常に狭い檻で、豚はその場で「立つ、座る、寝る」ことしかできません。

豚は本来は群れで生活する生き物で、他の豚とコミュニケーションを取ります。また、巣を作ったり穴を掘ったりする習性もあります。

この様な豚が、巣作りはおろか方向転換すらできず、他の豚とのコミュニケーションも取れない妊娠ストールに置かれ続けると、異常行動による怪我や運動不足による機能低下で起立不能となるのです。

マクドナルドでは、2012年から段階的に妊娠ストールの利用を削減していくことを表明しており、2024年には利用を無くせる見込みと発表していますが、アイカーン氏は直ちに利用中止するように求めています。

この妊娠ストールはヨーロッパを中心に、利用禁止や利用の削減が進められていますが、日本では利用率が90%を超えています。

「母豚も4〜5年で10頭程の子豚を産んだら屠畜される」「どうせ産まれた子豚も成長したら屠畜して食肉となる」という、どうせ殺すんだからという意見も1つの考え方として理解できます。

一方で、「命を奪うにしても、それまでの期間は出来る限り苦痛を与えるべきではない」「快適に生活させた方が良い肉質の豚が生産できる」という考え方にも納得できる部分があります。

私としては、豚が本当のところどう感じているのかが知りたいなという思いはあります。悪夢の様に辛いのか、少しの快や不快を感じる程度なのか。

また、妊娠ストールを使わず身動きの取れる飼い方にすれば肉質が良くなるのかどうかも知りたいです。

我々人類のこの種のテーマを問題視する人に、飢餓状態にある人は居ません。自分が豊かだから問題視しているのであれば、暇潰しと思われる可能性もあります。

気候変動や環境破壊に関わらない SDGsの目標の中には、この同じジレンマを内包している目標が色々とあることを再度感じさせられました。Stay SDGs!!
#sdgs  #マクドナルド #妊娠ストール #豚

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